導入事例
時代とともに大きく移り変わった東京湾。
近代都市へと様相を変えた品川。
船清は、そうしたさまざまな変化を見つめながら、「変わらない良さ」はそのままに「進化する良さ」も大切にしてきました。
本日は、江戸の風情を今に伝える「屋形船」という非日常空間で、東京の魅力を伝え続けられている船清の女将（伊東 陽子様）にお話をお伺いしました。
※本事例の内容は、取材日（2023年2月）時点の情報となります。
船清様の事業概要と日々の業務についてお伺いできますか。
まず、事業内容としては屋形船やクルーザーですね。そのほか、例えば目黒川の周遊なども事業としてやっています。
個人のお客様はウェブサイトをご覧になられて、そのままお申し込みいただくケースが多いですね。団体様の場合は、ほとんどがお電話でのご予約をいただいています。
弊社のWEB翻訳サービスを導入いただいた背景をお伺いできますか？
屋形船ってお座敷のイメージで、皆さんあぐらや正座のイメージがあると思いますが、海外からのお客様にとってはそれがネックだったようですね。
ある時、堀りごたつタイプで足を下ろせるお船にしましたら、外国の方でも乗れる船があるということで、周知していただくようになりました。
それで、どんどん堀りごたつや、椅子タイプの船を増やしたのですが、そうしましたらものすごい勢いで、海外のお客様が増えられたんです。
海外からのお客様に今後どのように対応をしていこうかと考えたところ、まずはウェブサイトの多言語対応が必要ということで、クロスランゲージ社のWEB翻訳サービスを使わせていただくようになりました。
弊社のWEB翻訳サービスを採用された理由をお聞かせいただけますか？
まず、日本語のホームページを直すだけで、同じレイアウトのまま多言語ページが出来ることですね。日本語のホームページを更新すると、自動的に多言語のページも変わっていくところが、WEB翻訳サービスを導入した理由です。
「屋形船」って英語には無い言葉だと思いますが、クロスランゲージ社の自動翻訳サービスには、便利な辞書登録の機能があって「YAKATABUNE」と簡単に表記できるような点が良かったです。
それと、営業さんがとても熱心だったので・・・（笑）
WEB翻訳サービスの導入決定から稼働まで、どのような流れで進められましたか？
また、WEB翻訳サービスの導入で課題は解決できましたか？
そうですね、海外からのお問い合わせが増えてきて、外国人の方から屋形船に興味を持っていただいているのに多言語での情報が無いのはまずいだろうということで、サイトのリニューアルとともに多言語対応の検討を始めました。
今から思うと、それまで外国のお客様にどうやって対応していたのか不思議なくらいです。当時は簡易的な外国語ページだけで情報が少なく、予約フォームもありませんでしたから。
今では、多言語のウェブサイトから多くの情報発信ができるようになりましたし、外国の方からの予約も受け付けられるようになり本当に満足しています。
従来の簡易的な英語サイトの対応はどのようにされましたか？
船清にご予約いただく外国人のお客様の多くは欧米の方です。
個人客を含めてほんど欧米の方ですので、片言の英語で意思の疎通をしていました。
自動翻訳サービスを導入した当初は、簡易的に作った英語ページをそのまま表示させていましたが、自動翻訳サービスでも日本語サイトをかなり優秀に翻訳してくれるので、今では英語ページも自動翻訳の対応に切り替えています。
これすごく良いですよね、日本語ページを直したら多言語ページが全て変わるのですから。
多言語サイトの予約対応に関しては、問い合わせ対応を含めて外部旅行情報サイトと連携することにしました。
外国のお客様への接客で気を付けられている事を教えてください。
多言語ページが充実していると、この会社はきっとどの言語で電話しても大丈夫だろうって思われるお客様もいらっしゃるんです。そこはちょっと困ったなって思う時がありますね。多言語サイトを作ったことでお客様が増えていいんですが、同時に問い合わせも多くなっていて、ポケトークや電話通訳サービスのようなツールを検討中です。
基本的には、気持ちで伝わります。様々な言語のお客様がいらっしゃるので、例えば、英語のサイトからお申し込みをいただいても、実はオランダの方だったというような事があるんですね。
お互いに英語もよくわからない状態で話しますが、なんとなくわかるんです。
きっと、こういうことを言いたいんだろうなって、お互いに分かり合おうっていう気持ちが一番大事なんだなって。お客様もわかってくれようと一生懸命に聞いてくれて、こっちも一生懸命話すことで伝わるみたいです。
屋形船を体験された外国人の方々の反応はいかがですか？
日本人でも屋形船に乗った事が無い方も多いと思いますが、外国の方にとって屋形船はほとんどの方が初めてで、ものすごく反応がいいですよ。
私が一番思うのはお料理と日本のこの宴会の雰囲気とスタイル、畳に座ってみたいな、そういうのをやっぱり感じたいんだと思うんです。
日本情緒を感じたいんだと思うんですね。
最近では、バレンタインデーの2月14日に十何組かご予約をいただいているのですが、日本人は1組だけで、他は全部が外国人になっちゃって。私共も驚きました。
外国人の団体様の時には、英語でウェルカムスピーチのご挨拶をするんです。
すると、皆さん「OH!」って言うんです。そうすると、女将さんは英語が喋れるんだと話しかけてくれるんですが、わからないもんだから、にっこりして「エンジョイ？」って言うと、また喋れると思われちゃうんです。（笑）
困りますけど、そういうのって嬉しいですね。
外国の方への対応でお困りになることはありませんか？
日本のマナーもしっかり教えてあげた方がいいですね。
例えば、入り口で畳があったらそこの上には靴を脱いで上がるんだよとか、温泉の湯舟にはタオルを入れちゃいけないよとか、細かいマナーやルールは、言ってあげることが必要だと思います。
通訳ガイドさんの話ですが、外国のお客様に「日本の電車は時間通りに出るんだよ。」とか、「日本のトイレではトイレットペーパーを流していいんですよ。」とか話をすると驚かれるそうです。日本では当たり前のことが海外ではそうではないんですよね。なので、そうした身近なことから日本を知っていただくのもいいんじゃないかと。
私どもでは外国人のお客様には前もってアレルギーや宗教上で食べられないものを伺うようにしています。
それでも乗船してから、私はエビが食べられないという話が良くあるんですが、そうなると大変です。船なので補充がききませんから、スタッフが一生懸命に他のお野菜や予備のもので対応を考えなくちゃならないんです。そうした情報は先に伝えていただきたいですね。
最後にクロスランゲージへ期待されることがあればお聞かせください。
便利なサービスを増やしてくれることを期待しています。
ガイド通訳のようなサービスが多言語で出来るサービスがあると良いですよね。
ボタンを押すと、設定した言語のスピーチが流れてくるような。
メニューの翻訳が自由に作れると便利ですね。
料理名を翻訳するだけではなくて、例えば魚の煮付けは、「醤油と砂糖とみりんで魚を煮込んだ料理です。」のような。「素材」「味付け」「調理方法」をお店側で組み替えて多言語のメニューが作れるサービスを提供してもらえると嬉しいですね。
本日はWEB翻訳サービスのお話だけでなく、外国の方とのコミュニケーションや現場でのエピソードなど、楽しいお話をたくさんお聞かせいただくことができました。
外国の方にも女将さんやスタッフの方々の心遣いが嬉しい思い出になるのでしょうね。
お忙しい中、どうも有難うございました。
一般社団法人 中央区観光協会 
株式会社 船清