導入事例
東京都に隣接し、東京ディズニーリゾート®を中心とした近代的な舞浜地域と、漁師町だった面影を伝える元町地域が近接する特色と個性をあわせ持った浦安市。
浦安市公式サイトの多言語化にWEB-Transer@ホームページを導入し、多言語対応の改善を進められた梅木様と池田様にお話を伺いました。
※本事例の内容は、取材日（2021年12月）時点の情報となります。
梅木様と池田様の主な業務内容をお聞かせ頂けますか？
浦安市のホームページとSNSの管理・運用を主な業務として行なっています。
ホームページの運用の中で多言語対応も担当をしています。
課内には、他に紙媒体の担当が4名、行政情報番組の担当が2名（兼務）います。
浦安市の魅力についてお聞かせ下さい。
浦安市は約4キロメートル四方の面積に約17万人の住民がおり、漁師町だった時代から住まれている方や、埋め立て地として拡大した後に新しく入ってこられた方々が住まれています。
埋め立て地域には多くのホテル群があり、多くの観光客の方々が訪れています。
昔からの地域は漁師町であったため、以前は魚市場などもあり賑わっていました。
実は、浦安からは屋形船が出ています。貸切ではなく乗り合い屋形船なので、観光目的の方にも利用しやすく人気があるんですよ。
WEBサイトの多言語対応を始める前はどのような課題がありましたか？
浦安市には、在留外国人が約4千人おり、中国・韓国・フィリピンなどの方が多いです。東京ディズニーリゾートがあるので、そちらで働いている外国人の方も多いようです。
Googleアナリティクスでは、アメリカ国内からもWEBサイトを見られていることが分かりました。
住まれている方や海外からWEBサイトを閲覧している方が一定数おりますので、その方たち向けに浦安市の情報発信を多言語で行う必要がありました。
その反面、多言語ページ対応のために常に人員をおいて翻訳しながら作っていくとなると、実際の運用は工数的にも費用的にも難しいと思っていました。効率的に運用できて、必要な情報量を発信できる多言語対応方法が必要でした。
これらの課題感から、当初はクロスランゲージのものではない自動翻訳サービスを導入し運用していました。
従来の多言語サイトからの見直しにあたり、何が課題でしたか？
担当課として認識していた一番の問題は、翻訳の精度が低かったことですね。
例えば、英語として意味が成り立たない、何となく意味は掴めるが表現がおかしい文章の割合が多数を占めており、正しい内容で翻訳されている割合が少なかったことが問題として大きかったです。
また、当課の所管ではないですが、2020年から『浦安市多言語表記検証委員会』が別途立ち上がり、WEBサイト以外にも市内のサインや刊行物なども含めた多言語対応について実態調査をしていました。
2021年3月に纏まった検証結果報告書においても「WEBサイトの訳質が良くない」という報告があったことから、導入する自動翻訳サービスを再検討する一つの要因になりました。
外部の客観的な評価からも多言語サイトの改善が急務だと認識し、具体的な検証を始めていきました。
「WEB-Transer@ホームページ」を知ったきっかけを教えて下さい。
以前から営業の方が訪問されていたこともあり、クロスランゲージのサービスは知っていました。
そのこともあり、多言語サイトの改善のために多言語対応方法を再検討する段階でクロスランゲージにお声がけしました。
導入に至った経緯を教えて下さい。他社との比較もされましたか？
導入後の多言語WEBサイトの運用が出来る限り高品質で効率的にできるかどうか確認した上で選定したかったため、事前に選定対象となるサービスに対して訳質の比較を行いました。
再検討にあたり、一番の目的である訳質の改善を行うため、浦安市のWEBサイトや広報媒体からの文章をサンプリングしたものを、4つの自動翻訳サービスで訳質の比較検証をしました。
① 当時導入していた他社サービス
② クロスランゲージ社の従来サービス（ルールベース翻訳エンジン）
③ クロスランゲージ社の新サービス（自治体向けAI翻訳エンジン）
④ 無料WEBサイト翻訳サービス
比較した結果、③クロスランゲージ社の新サービス（自治体向けAI翻訳エンジン）が最も良い訳質と評価されました。
また、ランニングコストでも十分なメリットがあったところも決め手となり、2021年10月からWEB-Transer@ホームページを導入しています。
サービスを導入する際に入札となると、重要視されるのはコスト面での優位性が大きくなりますが、浦安市としては今回の多言語化サービス選定において、コスト面だけではなく、訳質面をより重視しておりました。
結果的に、クロスランゲージさんの自治体向けAI翻訳のサービスが訳質面でもコスト面でも両面において最もメリットがありましたね。
無料版のWEBサイト翻訳ツールは導入検討されましたか？
コスト面だけを見れば、やはり無料ですからメリットを感じますが、誤訳があった場合にすぐ修正することができないですよね。
自治体としては間違った情報があった場合に対応できないことは問題になります。
特に、防災のような分野では、正しい情報を発信できないと市民の命に関わってきます。
やはり、市民の命に関わる部分は、費用をかけてでも正しい情報を発信するのが行政として責務だと思います。
その点においても、無料版の翻訳ツールは訳質比較の検証時に参考にはしましたが、導入するということはありませんでした。
導入された効果としては如何ですか？
浦安在住外国人会（UFRA）の会員の方からは、以前の翻訳サイトよりも訳質がだいぶ良くなったとのお声をいただいています。
更なる効果が見えてくるのは、今後運用を続けていくことで、市民からの反応やアクセス解析から見えてくる特性が増えてくると思いますので、その辺りを注視していきたいと思っています。
今後の目標や展望をお聞かせ下さい。
外国人在住者は、直接役所の相談窓口に来るよりWEBサイトから情報を取られる方が多いので、多言語サイトで発信している内容を更に正確で充実したものにしていきたいですね。
浦安市のサイト閲覧数の推移として、平成30年度が約900万PV、令和元年度に約1,100万PVと増えてきています。昨年はコロナ対応の影響が大きく約2,000万PVと大幅に増加しました。
このことから、今後もコロナ関連の情報を含め、WEBサイトで市民に向けて必要な情報発信をしていく重要性が増していきます。
AI翻訳だとしても、自治体サイトは行政特有の言い回しや文章が多く、翻訳サービスを導入しただけでは完璧な多言語サイトにならないことは認識しています。
以前の運用面での反省として、自動翻訳が苦手とする固有名詞や行政特有の用語、言い回し等を修正する「管理画面機能」をあまり使用していませんでした。
今後は、クロスランゲージさんの協力も頂きながら「管理画面機能」の活用をし、自動翻訳と相性のいい日本語サイトの作り方も考えながら、重要な情報が必要としている方たちに正確に届く多言語WEBサイトを維持していけたらと思います。
多言語サイトで課題を抱えている他の自治体の方へ一言メッセージをお願い致します。
浦安市の場合、多言語対応を始めたのは、自治体の中では早い方だったかと思いますが、これから多言語対応を考え始める、または現在検討中である自治体様も多いと思います。
正確な情報を発信することの必要性と予算とのバランスが各自治体によって違うと思いますが、多言語対応について少しでも課題を持たれていて検討のタイミングが来た際には、自治体向けの自動翻訳サービスでの多言語対応を考えられても良いかと思います。
本日はどうも有難うございました。
千葉県 浦安市役所
https://www.city.urayasu.lg.jp/
| 業界: | 省庁・自治体 |
| 所在地: | 千葉県浦安市 |
| 人口規模: | 約170,000人 |
| 在留外国人: | 約4,000人 |
浦安市企画部広聴広報課
梅木様 池田様
学校法人電子学園 日本電子専門学校