Google翻訳による情報漏えいのリスク!原因と安全に使うための対策を解説

Google翻訳による情報漏えいのリスク

無料で手軽に利用できるGoogle翻訳は、多くのビジネスシーンで活用されています。

しかし、その利便性の裏側には、情報漏えいという重大なセキュリティリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。
特に企業の機密情報や個人情報を扱う場合、無料翻訳ツールの利用は深刻な問題を引き起こす可能性があります。

この記事では、Google翻訳でなぜ情報漏えいが起こるのか、その仕組みと原因を分かりやすく解説します。また、企業が取るべき具体的なセキュリティ対策や、代替となる安全な翻訳方法についてもご紹介します。

 

Google翻訳で情報漏えいは本当に起こるのか?

結論から言うと、無料版のGoogle翻訳を利用した場合、入力した情報はGoogleに収集され、サービス改善や機械学習に利用されるため、機密情報が外部に渡るリスクが存在します。これはGoogleのシステムに欠陥があるというわけではなく、サービスの利用規約に基づく正規の仕組みです。

多くのユーザーが利用規約を十分に確認しないまま使用しているため、意図せず情報を危険に晒しているケースが少なくありません。

利用規約に記載されているデータの二次利用リスク

Googleの一般利用規約には、ユーザーが送信したコンテンツをサービス運営・改善のために利用、保存、複製、変更、派生物を作成するライセンスをGoogleに与える条項が存在します。

しかし、Google翻訳(Cloud Translation API)に関しては、公式に『Google Translation の機能のトレーニングと機能向上のために、送信されたコンテンツを使用することはない』と明記されており、入力したテキストがAI学習データとして利用されることはありません。翻訳のためにメモリ内に短時間保持されるのみで、コンテンツが第三者と共有されたり長期保存されることもありません。

入力したテキストが第三者に閲覧される可能性

Google翻訳で入力したテキストが、直接的に他のユーザーの検索結果に表示されるといった事例は現状報告されていません。

しかし、過去には他のオンライン翻訳サービスで、入力された機密情報が誰でも閲覧できる状態になっていたという深刻な情報漏えい事件が発生しています。この事例は、無料オンラインサービスの利用には、設定の不備や意図しない仕様によって情報が公開されてしまうリスクが常にあることを示しています。

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なぜGoogle翻訳による情報漏えいが起こるのか?

Google翻訳の情報漏えいリスクは、その高度な翻訳精度を支える技術と密接に関連しています。ユーザーが入力した膨大なテキストデータをAIが学習することで、翻訳の質は日々向上しています。この「AIの学習」こそが、情報漏えいリスクの根源となっているのです。

AIの機械学習データとして活用される仕組み

Google翻訳をはじめとする多くの無料AI翻訳は、ニューラル機械翻訳(NMT)という技術を用いています。これは、AIが膨大な量の対訳データを学習し、文脈に応じた自然な翻訳を生成する仕組みです。

ユーザーが無料版のGoogle翻訳に入力したテキストは、この学習データの一部としてサーバーに蓄積され、AIのさらなる精度向上のために利用される可能性があります。したがって、機密情報を含む文章を入力することは、その情報をAIの学習データとして提供してしまうことと同義になるのです。

無料版と有料版(Cloud Translation API)の違い

Googleは、無料のWeb版Google翻訳とは別に、法人向けの有料サービス「Google Cloud Translation」を提供しています。この二つのサービスでは、データの取り扱いに関するポリシーが明確に異なります。

サービス データ利用 セキュリティ 主な対象
無料版Google翻訳 サービス向上のため、入力データが収集・利用される可能性がある 標準的なセキュリティ 個人利用者
Google Cloud Translation(有料版) ユーザーのデータは翻訳目的以外には利用されない 高度なセキュリティ、データ保護 法人・開発者

このように、有料版では入力したデータがAIの学習に使われることはなく、企業の機密情報を保護するための厳格なセキュリティポリシーが適用されます。業務で機密情報を扱う場合は、無料版ではなく有料版の利用を検討することが不可欠です。

 

Google翻訳の利用で想定される具体的なリスク

無料のGoogle翻訳を業務で利用し続けると、具体的にどのようなリスクが想定されるのでしょうか。
ここでは、企業の存続にも関わりかねない3つの重大なリスクについて解説します。

企業の機密情報(新製品情報、顧客情報)の漏えい

開発中の新製品に関する情報、M&Aに関する内部情報、顧客リストといった企業の機密情報が外部に漏えいするリスクです。これらの情報が競合他社に渡れば、企業の競争力は著しく損なわれます。

一度インターネット上に流出した情報は完全に削除することが困難であり、長期的に企業価値を毀損する可能性があります。

個人情報の流出によるプライバシー侵害

従業員や顧客の氏名、住所、連絡先などの個人情報を含む文章を翻訳した場合、その情報が漏えいするリスクがあります。

個人情報保護法では、企業に厳格な情報管理が義務付けられており、漏えいが発生した場合は法的な責任を問われるだけでなく、社会的な信用も失墜してしまいます。

契約書など法的文書の漏えいによる経済的損害

取引先との契約書や法的紛争に関する資料など、法的に重要な文書の内容が漏えいするリスクです。

契約内容が外部に知られることで交渉が不利になったり、訴訟に関する情報が相手方に渡ることで裁判で不利な立場に立たされたりするなど、直接的な経済的損害に繋がる可能性があります。

 

情報漏えいを防ぐためのGoogle翻訳の安全な使い方

リスクを理解した上で、どうしても無料のGoogle翻訳を利用する必要がある場面では、以下の点に注意することでリスクを最小限に抑えることができます。

ただし、これらはあくまで次善の策であり、機密情報の翻訳には利用しないことが大前提です。

機密情報や個人情報を入力しない

最も基本的かつ重要な対策は、社外秘の情報、個人情報、顧客情報など、少しでも漏えいのリスクがある情報を一切入力しないことです。

翻訳したい文章から、固有名詞(会社名、製品名、氏名など)や具体的な数値などを削除・仮名に置き換えるといった加工を事前に行うことが有効です。

翻訳履歴をこまめに削除する

Googleアカウントにログインした状態で翻訳を行うと、翻訳履歴がアクティビティとして保存されます。

万が一アカウントが不正アクセスされた場合に備え、翻訳後はこまめに履歴を削除する習慣をつけましょう。Googleの「マイアクティビティ」ページから翻訳履歴を確認し、削除することが可能です。

社内ルールを明確化し周知徹底する

個人レベルでの対策には限界があります。
企業としては、「どのような情報は翻訳ツールで扱ってはいけないか」「どのような手順で匿名化処理を行うか」といった具体的な利用ルールをガイドラインとして定め、全従業員に周知徹底することが重要です。

 

企業が取るべき本格的なセキュリティ対策

従業員の善意や注意だけに頼る対策は不十分です。企業として情報資産を守るためには、より組織的で強固なセキュリティ対策を講じる必要があります。

翻訳ツールの利用ガイドラインを策定する

まず、社内での翻訳ツールの利用に関する明確なガイドラインを策定します。このガイドラインには、無料翻訳ツールの利用を原則禁止とし、許可された有料ツールのみを使用する、機密レベルに応じて翻訳方法を分ける(例:極秘情報は専門の翻訳会社に依頼する)といったルールを盛り込みます。

従業員へのセキュリティ教育を徹底する

ガイドラインを策定するだけでなく、従業員一人ひとりが情報漏えいのリスクを正しく理解するためのセキュリティ教育を定期的に実施することが不可欠です。

過去の漏えい事例などを共有し、なぜ無料ツールの利用が危険なのかを具体的に理解させることが、セキュリティ意識の向上に繋がります。

高セキュリティな法人向け翻訳ツールを導入する

最も効果的で安全な対策は、セキュリティが保証された法人向けの有料翻訳ツールを導入することです。多くの有料ツールでは、入力データが二次利用されないことや、通信が暗号化されていることが保証されています。

また、IPアドレス制限やアクセスログ管理など、企業のセキュリティポリシーに対応した機能を持つサービスもあります。

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Google翻訳の代替となるセキュアな翻訳ツール

企業の情報を守りながら翻訳業務の効率を落とさないためには、Google翻訳に代わる安全な選択肢を知っておくことが重要です。

セキュリティを重視した有料翻訳ツールの紹介

市場には、Google Cloud Translationの他にも、セキュリティを強みとする法人向けの有料翻訳ツールが多数存在します。

ツール名 特徴
WEB-Transer@Enterprise (AI) オンプレミス型でセキュリティが高く、企業ごとに蓄積された翻訳データなどを活用し、組織専用のAI翻訳エンジンを構築可能。
DeepL Pro 入力したテキストが翻訳完了後にサーバーから削除されることを明記。高い翻訳精度に定評がある。
Microsoft Azure Translator Microsoftの厳格なセキュリティ基準に準拠。Office製品との連携もスムーズ。
自社専用の翻訳サーバー オンプレミスやプライベートクラウドに翻訳サーバーを構築。最もセキュリティレベルが高い選択肢。

これらのツールは初期費用や月額費用がかかりますが、情報漏えいによって失う企業の信用の大きさを考えれば、必要不可欠な投資と言えるでしょう。

専門の翻訳会社への依頼

最高レベルの機密性が求められる契約書や特許関連文書などは、機械翻訳に頼らず、秘密保持契約(NDA)を締結した上で専門の翻訳会社に依頼するのが最も安全な方法です。

専門家による翻訳は、精度の高さはもちろんのこと、情報管理の面でも高い信頼性があります。

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まとめ

無料のGoogle翻訳は非常に便利なツールですが、その手軽さの裏には、AIの学習データとして情報が二次利用されるという情報漏えいのリスクが常に存在します。

企業の機密情報や個人情報を守るためには、無料ツールの安易な利用を避け、セキュリティが保証された有料ツールの導入や、社内ガイドラインの策定といった組織的な対策を講じることが不可欠です。
本記事で解説したリスクと対策を参考に、自社の情報セキュリティ体制を見直してみてはいかがでしょうか。

株式会社クロスランゲージが提供する「WEB-Transer@Enterprise (AI)」は、自社サーバー内で翻訳システムを構築するオンプレミス型のサービスです。
外部のサーバーを経由しないため、機密情報や個人情報を含む文書でも情報漏洩のリスクを気にすることなく、高性能なAI翻訳を利用できます。
ぜひご検討ください。

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