企業のグローバル化や訪日外国人観光客の増加に伴い、「海外プロモーション」の重要性がますます高まっています。国内市場だけでなく、海外にも目を向けることで、ビジネスは新たな成長の機会を掴むことができます。
しかし、言語や文化の壁があり、何から始めれば良いか分からない方も多いのではないでしょうか。この記事では、海外プロモーションの基本的な考え方から具体的な手法、そして成功に導くためのポイントまで、分かりやすく解説します。
海外プロモーションとは?今こそ取り組むべき理由
海外プロモーションとは、自社の商品やサービスを海外の市場で広く知ってもらい、販売を促進するための一連のマーケティング活動のことです。
国内市場が成熟しつつある今、多くの企業や自治体が新たな可能性を求めて海外に注目しています。
海外での認知度向上と新規顧客獲得の重要性
国内の人口減少や市場の飽和により、多くの企業が成長の限界に直面しています。海外に目を向ければ、そこには巨大な市場と潜在的な顧客が広がっています。
海外プロモーションを通じて自社のブランドや製品の認知度を高めることは、新たな顧客を獲得し、売上を拡大するための重要なステップです。
特に経済成長が著しいアジアや中南米の市場は、大きなビジネスチャンスを秘めています。
| 市場 | 特徴 | アプローチのポイント |
| 先進国市場 (北米・欧州) |
所得水準が高く、品質やブランドへの要求が高い | 高品質な製品とストーリー性のあるブランディングが有効 |
| 新興国市場 (アジア・中南米) |
人口増加と経済成長が著しく、市場拡大のポテンシャルが高い | コストパフォーマンスと現地のニーズに合わせた商品開発が重要 |
インバウンド需要の高まりとビジネスチャンス
近年、日本を訪れる外国人観光客は増加傾向にあり、インバウンド需要は地域経済を支える重要な要素となっています。
海外プロモーションは、こうした訪日客に対して事前に情報を届け、自社の店舗や地域へ誘致するために非常に効果的です。旅行前に現地の言語で情報発信を行うことで、彼らの旅行計画に組み込んでもらいやすくなり、大きなビジネスチャンスに繋がります。
海外プロモーションを始める前の準備
効果的な海外プロモーションを実施するためには、事前の準備が欠かせません。やみくもに施策を打つのではなく、戦略的に計画を立てることが成功への鍵となります。
目的とターゲットを明確に設定する
まず初めに、「何のために海外プロモーションを行うのか」という目的を明確にしましょう。
「ブランドの認知度を上げたいのか」「具体的な商品の売上を伸ばしたいのか」「店舗への来店を促したいのか」によって、とるべき戦略は大きく異なります。
次に、その目的を達成するために「誰に情報を届けたいのか」というターゲット層を具体的に設定します。国や地域、年齢、性別、興味関心などを細かく定めることで、より的確なアプローチが可能になります。
| 目的の例 | ターゲットの例 |
| 日本酒の海外輸出量を増やす | 欧米の富裕層、日本食レストランのシェフ |
| 自治体の観光客数を増やす | 韓国・台湾からの20代〜30代の女性グループ |
| ECサイトの売上を向上させる | 東南アジアのK-POPファン |
進出先の市場調査と文化の理解
ターゲットとする国や地域の市場を深く理解することも重要です。現地の消費者がどのようなライフスタイルを送り、どのような価値観を持っているのかを調査します。
また、宗教上のタブーや文化的な慣習を理解することは、プロモーションの失敗を避けるために不可欠です。例えば、特定の色や数字が縁起が悪いとされる国もあるため、広告のデザインやキャッチコピーには細心の注意が必要です。
【オンライン編】海外プロモーションの具体的な手法
インターネットの普及により、オンラインでのプロモーションは海外市場へアプローチするための強力な手段となりました。比較的低コストで始められるものも多く、多くの企業が活用しています。
海外向けWebサイト・ECサイトの構築
海外向けWebサイトは、世界中のユーザーに対する情報発信の拠点となります。
単に日本語サイトを翻訳するだけでなく、ターゲット国の言語や文化、デザインの好みに合わせて最適化(ローカライズ)することが重要です。
また、海外のユーザーが商品を購入できるように、現地の通貨や決済方法に対応した越境ECサイトを構築することも、売上を伸ばす上で効果的です。
SNSマーケティングの活用
FacebookやInstagram、X(旧Twitter)といったSNSは、世界中の人々と繋がることができる強力なツールです。
国や地域によって主流のSNSが異なるため、ターゲット市場で最も利用されているプラットフォームを選ぶことが重要です。
現地の言葉で定期的に情報を発信し、ユーザーとコミュニケーションをとることで、ブランドのファンを増やしていくことができます。
| SNSプラットフォーム | 主な利用国・地域 | 特徴 |
| 全世界的に利用者が多い | 実名登録制で信頼性が高い。広告のターゲティング精度も高い。 | |
| 北米、欧州、東南アジア | 写真や動画がメインのビジュアル訴求に強い。インフルエンサーも多い。 | |
| WeChat(微信) | 中国 | メッセンジャー機能が中心。決済や情報収集など生活インフラとなっている。 |
| X(旧Twitter) | 日本、米国 | リアルタイム性、拡散力が高い。最新情報の発信やキャンペーンに適している。 |
インフルエンサーマーケティングの実施
現地で強い影響力を持つインフルエンサーに自社の商品やサービスを紹介してもらう手法です。
インフルエンサーが自身のフォロワーに対して発信することで、口コミのような形で情報が広がり、高い信頼性と共感を得ることができます。ブランドイメージに合ったインフルエンサーを慎重に選定することが、成功の鍵となります。
Web広告(リスティング・ディスプレイ)の出稿
Googleや現地の検索エンジンに広告を出稿するリスティング広告は、商品やサービスを能動的に探している顕在層に直接アプローチできるため、即効性が期待できます。
一方、Webサイトやアプリの広告枠に表示されるディスプレイ広告は、潜在的な顧客層に対して広くブランドを認知させるのに有効です。どちらもターゲットとする国や言語、興味関心などを細かく設定して配信できます。
【オフライン編】海外プロモーションの具体的な手法
オンラインだけでなく、現地での直接的なアプローチもブランドの信頼性を高める上で非常に重要です。オンラインと組み合わせることで、より大きな相乗効果が期待できます。
海外の展示会や見本市への出展
現地のバイヤーや業界関係者が集まる展示会や見本市への出展は、新規の取引先を開拓する絶好の機会です。自社の製品を直接見てもらい、その場で商談を進めることができます。
また、競合他社の動向や市場の最新トレンドを把握するための情報収集の場としても非常に有益です。
| 展示会の種類 | 目的 | メリット |
| 総合展示会 | 幅広い業界のバイヤーとの接点創出 | 新たな市場や顧客層を発見できる可能性がある |
| 専門展示会 | 特定の業界に特化した商談 | 質の高い見込み客と効率的に商談できる |
| 一般消費者向け展示会 | ブランド認知度の向上、テストマーケティング | 消費者の生の反応を直接確認できる |
現地メディア(雑誌・新聞)への広告掲載
現地の新聞や雑誌といったマスメディアへの広告掲載は、特定の読者層にリーチし、ブランドの信頼性を高めるのに効果的です。
特に、ターゲット層が多く購読している専門誌やライフスタイル誌に広告を出すことで、効果的にメッセージを伝えることができます。
イベントやプロモーション活動の開催
現地で製品の体験イベントやサンプリング、セミナーなどを開催することで、消費者との直接的な接点を作ることができます。
実際に製品を使ってもらうことで、その魅力を深く理解してもらい、購買意欲を高める効果が期待できます。日本の文化を紹介するイベントなどは、特に高い関心を集めやすいです。
海外プロモーションを成功に導く5つのポイント
海外プロモーションを成功させるためには、手法の選択だけでなく、戦略的な視点が不可欠です。
ここでは、特に重要となる5つのポイントを紹介します。
徹底したローカライズを意識する
ローカライズとは、単に言語を翻訳することではありません。
現地の文化、習慣、価値観、宗教、さらには法律などを深く理解し、それに合わせて製品やサービス、広告メッセージを最適化することです。これが不十分だと、現地の消費者に受け入れられないばかりか、時には反感を買ってしまう危険性もあります。
【関連記事】ローカリゼーションとは?翻訳との違いや成功のポイントを徹底解説! | CROSS LANGUAGE コラム
オンラインとオフラインの手法を組み合わせる
オンライン施策とオフライン施策は、それぞれに長所と短所があります。
例えば、SNSでイベントの告知を行い、展示会で得た名刺を元にメールマガジンを送るなど、両者を連携させることで、プロモーションの効果を最大化することができます。
| 施策の組み合わせ例 | 目的 |
| SNSでの告知→現地イベント開催 | オンラインで集客し、オフラインで深い体験を提供 |
| 展示会での名刺交換→メールマーケティング | オフラインで得た接点をオンラインで継続的な関係に発展させる |
| Web広告→ECサイトへ誘導 | 広告で認知を獲得し、オンラインで購買まで完結させる |
現地のパートナー企業と連携する
現地の市場や文化に精通したPR会社やマーケティング代理店と協力することも、成功への近道です。
彼らは現地のメディアやインフルエンサーとの強力なネットワークを持っており、より効果的でスムーズなプロモーション展開をサポートしてくれます。自社だけでは得られない知見やノウハウを活用できます。
効果測定と改善を継続的に行う
プロモーションは実施して終わりではありません。Webサイトのアクセス数や広告のクリック率、SNSのエンゲージメント率、実際の売上などを定期的に測定し、効果を分析することが重要です。
データに基づいて「どの施策が効果的だったのか」「どこに改善の余地があるのか」を把握し、次のアクションに活かしていくPDCAサイクルを回し続けることが、成功に繋がります。
適切な運用体制を整える
海外プロモーションを継続的に行うためには、社内の運用体制を整えることが不可欠です。担当者を明確にし、必要な予算を確保します。
また、海外からの問い合わせに対応できる語学力のあるスタッフを配置したり、時差を考慮したコミュニケーション体制を構築したりするなど、スムーズな運用ができる環境を準備しておくことが大切です。
海外プロモーションの成功事例を紹介
ここでは、実際に海外プロモーションで成果を上げた自治体と企業の事例を紹介します。自社の戦略を考える上での参考にしてください。
自治体の成功事例:山口県のSNS活用戦略
山口県は、CNNトラベルで「日本の最も美しい場所31選」に選ばれた「元乃隅神社」などをフックに、SNSを積極的に活用したプロモーションを展開しました。
特にInstagramやFacebookで、ターゲット国(台湾、香港、韓国など)の言語で美しい風景の写真を継続的に投稿し、「インスタ映え」を意識した情報発信で多くの外国人観光客の注目を集めることに成功しました。オンラインでの認知度向上だけでなく、キャッシュレス決済の導入や多言語対応の観光案内所の整備といった、訪れた観光客の満足度を高めるオフラインの取り組みも並行して進め、大きな成果を上げています。
参考:欧米豪向けFacebook・Instagramの運用開始について – 山口県ホームページ
企業の成功事例:ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの体験イベント
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、新エリア「SUPER NINTENDO WORLD」のオープンに際し、アメリカのニューヨークで大規模なプロモーションイベントを開催しました。
ゲームの世界観を再現したハテナブロックを街中に設置し、ニューヨーカーに実際にジャンプしてパンチしてもらうという体験型のイベントを実施しました。このユニークなイベントは現地のメディアでも大きく取り上げられ、SNSでも拡散され、新エリアのオープンに対する期待感を世界的に高めることに成功しました。
参考:NYで1000人が「マリオ体験」、熱狂を生んだUSJの狙い | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
企業の成功事例:船清のWEB翻訳サービス導入による外国人観光客の受け入れ拡大
船清は、東京で屋形船やクルーザー事業を展開する企業です。堀りごたつや椅子タイプの船を導入したことで外国人観光客が急増したことを受け、Webサイトの多言語対応に踏み切りました。
WEB翻訳サービスを活用し、日本語サイトの更新と同時に多言語ページも自動更新される仕組みを構築しています。「屋形船」のような英語に存在しない言葉も辞書登録機能で「YAKATABUNE」と適切に表記できるようになり、多くの情報を多言語で発信することが可能になりました。予約フォームの多言語化も実現し、欧米を中心とした外国人観光客からの予約受付体制を整備したことで、顧客満足度の向上につなげました。
【関連記事】船清 – 【公式】株式会社クロスランゲージ
まとめ
海外プロモーションは、国内市場の限界を超えてビジネスを成長させるための重要な戦略です。
成功のためには、進出先の市場や文化を深く理解し、オンラインとオフラインの手法を組み合わせながら、ターゲットに響くローカライズされたアプローチを行うことが不可欠です。
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