中国のWebサイトから情報を収集したい、あるいは取引先から送られてきたURLの内容を確認したいけれど、中国語が分からず困っていませんか。現在では多くの翻訳ツールがあり、誰でも手軽に中国語サイトを翻訳できます。
しかし、ツールの種類が多く、どれを選べば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、無料で使えるおすすめの中国語サイト翻訳ツールから、ビジネスで活用できる高機能な有料ツールまで幅広く紹介し、選ぶ際のポイントや注意点についても詳しく解説します。
中国語サイトの翻訳でよくある悩み

中国語サイトを翻訳する際には、多くの人が共通の悩みを抱えています。単純に日本語に変換するだけでは、業務で活用できるレベルの品質を得られないことが少なくありません。まずは、多くの人が直面する具体的な悩みについて見ていきましょう。
| 課題 | 具体例 | 発生する問題 |
| 専門用語の誤訳 | 「软件(ソフトウェア)」を「柔軟な部品」と翻訳 | 製品や技術に関する情報の誤解 |
| 新語・流行語の未対応 | 最新のネットスラングやビジネス用語が翻訳できない | 市場のトレンドや顧客の声を正確に把握できない |
翻訳の精度が低くて意味が分からない
無料の翻訳ツールを使った際に、日本語として不自然な文章が出力され、意味が正確に理解できないという経験は多くの人にあるでしょう。
特に、主語が省略されやすい中国語の特性や、文化的な背景が絡む表現は、機械翻訳では誤訳が生じやすくなります。
結果として、翻訳された文章を読み解くのに時間がかかり、かえって非効率になるケースもあります。
専門用語が正しく翻訳されない
ビジネスや研究開発の分野で中国語サイトを閲覧する場合、特定の分野で使われる専門用語が頻繁に登場します。
一般的な翻訳ツールでは、これらの専門用語がデータベースに登録されておらず、見当違いの言葉に翻訳されたり、カタカナで音写されるだけだったりすることがあります。これでは、サイトの核心的な内容を理解することは困難です。
参考:金融分野向けの高精度AI翻訳システムを開発|2022年|NICT-情報通信研究機構
サイトのレイアウトが崩れてしまう
Webサイト全体を翻訳する機能を使った際に、元のレイアウトが崩れてしまい、どこに何が書かれているのか分かりにくくなることがあります。画像に含まれるテキストが翻訳されなかったり、CSSが正しく適用されずに表示が乱れたりすると、ユーザービリティが大幅に低下します。
情報を効率的に収集するためには、元のデザインを維持したまま翻訳できることが重要です。
情報漏洩などのセキュリティが心配
特にビジネスで利用する場合、翻訳するWebサイトの内容や、フォームに入力した情報が外部に漏洩するリスクは無視できません。無料の翻訳ツールの中には、入力されたデータをサービス向上のために二次利用する規約になっているものもあります。
機密情報や個人情報を含む可能性のあるWebサイトを翻訳する際には、セキュリティポリシーが明確で、安全性の高いツールを選ぶ必要があります。
【関連記事】無料翻訳は危険!? セキュリティリスクを最小化する対策方法 | CROSS LANGUAGE コラム
無料で使える!おすすめの中国語サイト翻訳ツール4選
まずは、個人利用や一時的な利用に便利な、無料で使える中国語サイト翻訳ツールを紹介します。それぞれに特徴があるため、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。
| ツール名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
| Google翻訳 | 対応言語の多さと手軽さ | とにかく早く、手軽にサイト全体を翻訳したい人 |
| DeepL翻訳 | 自然で流暢な翻訳品質 | 記事やブログなど、文章のニュアンスを理解したい人 |
| 百度翻訳 | 中国語への特化と新語への対応力 | 中国のトレンドや文化に関する情報を収集したい人 |
| Microsoft Translator | Office製品との連携機能とセキュリティレベルの高さ | WordやExcelの内容を翻訳したい人 |
Google翻訳:言わずと知れた万能翻訳ツール
Google翻訳は、100以上の言語に対応する、最も広く知られた無料翻訳ツールです。テキスト入力だけでなく、WebサイトのURLを入力するだけでページ全体を翻訳できます。
長年のデータ蓄積とAI技術の向上により、その翻訳精度は日々進化しています。シンプルなインターフェースで誰でも直感的に使える点が大きな魅力です。
参考:Cloud Translation | Google Cloud
DeepL翻訳:ニューラルネットワークで自然な翻訳
DeepL翻訳は、ドイツ発のAI翻訳ツールで、特にヨーロッパ言語において非常に自然で流暢な翻訳品質を誇ります。ニューラルネットワークを活用することで、文脈を深く理解し、より人間らしい翻訳を実現しています。
中国語翻訳においてもその精度は高く評価されており、ニュアンスを重視したい場合に適しています。
百度翻訳:中国語に特化した高精度な翻訳
百度翻訳は、中国最大の検索エンジン「百度(Baidu)」が提供する翻訳サービスです。中国の企業が開発しているため、中国語の翻訳精度、特に現代中国語やネットスラングなど、新しい言葉の翻訳に強いとされています。
中国のWebサイトを頻繁に閲覧するユーザーにとっては、非常に心強いツールと言えるでしょう。
参考:百度翻译_领先的AI大模型翻译_支持文本/文档/图片翻译
Microsoft Translator:ビジネス利用にも強い多機能ツール
Microsoft Translatorは、マイクロソフトが提供する翻訳サービスで、テキストやWebサイトの翻訳に加え、WordやExcelといったOffice製品との連携機能も充実しています。
ビジネスシーンでの利用を想定した機能が多く、一定のセキュリティレベルも確保されているため、業務での利用にも比較的安心して使えます。
ビジネス利用におすすめ!高機能な有料中国語サイト翻訳ツール4選
機密情報を扱う場合や、より高い翻訳精度が求められるビジネスシーンでは、有料ツールの利用が推奨されます。セキュリティの高さや専門分野への対応など、無料ツールにはないメリットがあります。
| ツール名 | 強み |
| WEB-Transer@Enterprise(AI) | オンプレミス型で強固なセキュリティを実現 組織専用のAI翻訳エンジンを構築可能 |
| ヤラクゼン | ユーザーによるAIのカスタマイズ チーム利用 |
| T-4OO | 2,000の専門分野への対応 |
| COTOHA Translator | 高いセキュリティ NTTブランドの信頼性 |
WEB-Transer@Enterprise(AI):組織専用のAI翻訳エンジンを構築
株式会社クロスランゲージが提供する「WEB-Transer@Enterprise(AI)」は、自社サーバー内で翻訳システムを構築するオンプレミス型のサービスです。外部のサーバーを経由しないため、機密情報や個人情報を含む文書でも情報漏洩のリスクを気にすることなく、高性能なAI翻訳を利用できます。
最大の特長は、企業ごとに蓄積された翻訳データなどを活用し、組織専用のAI翻訳エンジンを構築できる点です。専門用語や独自の言い回しを学習させることで、業界や自社業務に最適化された、精度の高い翻訳を実現します。
【関連記事】WEB-Transer@Enterprise (AI) |【公式】株式会社クロスランゲージ
ヤラクゼン:AIが学習するパーソナルな翻訳ツール
ヤラクゼンは、ユーザーの翻訳データをAIが学習し、使えば使うほど翻訳精度が向上するパーソナルな翻訳プラットフォームです。社内特有の用語や言い回しを登録できる「フレーズ集」機能があり、企業全体で翻訳品質を統一できます。チームでの利用や、継続的な翻訳業務がある場合に特に力を発揮します。
参考:ヤラク翻訳 -自動翻訳から編集まで- 生成AI搭載の「ヤラク翻訳」
T-4OO:2,000の専門分野に対応する高精度翻訳
T-4OOは、株式会社ロゼッタが提供するAI自動翻訳サービスで、2,000もの専門分野に対応している点が最大の特徴です。法律、医療、金融など、高度な専門知識が求められる分野のWebサイトでも、適切な用語を用いて高精度に翻訳します。専門的な文献やレポートの翻訳が必要な場合に最適です。
参考:約2,000の翻訳エンジンで専門分野を正確かつスピーディーに翻訳! | T-4OO
COTOHA Translator:NTTの高セキュリティAI翻訳
COTOHA Translatorは、NTTコミュニケーションズが提供するAI翻訳サービスです。NTTグループが長年研究開発してきた高精度な翻訳エンジンと、セキュアな通信環境を強みとしています。
セキュリティポリシーが厳格で、入力したデータが二次利用される心配がないため、企業の機密情報を扱う際にも安心して利用できます。
参考:AI自動翻訳サービス COTOHA® Translator|NTTドコモビジネス 法人のお客さま
中国語サイト翻訳ツールを選ぶ際の5つのポイント

数ある翻訳ツールの中から、自社の目的や用途に合った最適なものを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
ここでは、ツール選定時に比較検討すべき5つの重要なポイントを解説します。
翻訳精度の高さで選ぶ
最も重要なのは、もちろん翻訳の精度です。無料ツールでも日常的な情報収集には十分な精度を持つものが増えていますが、ビジネスの意思決定に関わるような重要な情報を扱う場合は、少しの誤訳が大きな問題につながる可能性があります。各ツールの公式サイトで紹介されている導入事例を確認したり、無料トライアルを利用したりして、実際に翻訳したい分野のサイトで精度を試してみることをお勧めします。
対応言語と専門分野を確認する
中国語には、主に中国本土で使われる「簡体字」と、台湾や香港で使われる「繁体字」があります。翻訳したいサイトがどちらの言語で書かれているかを確認し、ツールが対応しているかを確認しましょう。
また、前述の通り、専門的な内容のサイトを翻訳する場合は、その分野に対応した翻訳エンジンを搭載しているかどうかが、翻訳の品質を大きく左右します。
Webサイト翻訳機能の使いやすさを確認する
Webサイト全体を翻訳する機能の使いやすさも重要な選定基準です。URLを入力するだけで翻訳できるか、ブラウザの拡張機能でワンクリックで翻訳できるかなど、翻訳作業の手軽さは業務効率に直結します。
また、翻訳後も元のサイトのレイアウトが崩れず、快適に閲覧できるかどうかも、実際に試して確認すべきポイントです。
セキュリティポリシーを確認する
ビジネスで利用する場合、セキュリティは絶対に軽視できないポイントです。無料ツールの中には、入力したテキストデータをAIの学習などに再利用する場合があり、機密情報が漏洩するリスクがゼロではありません。
有料ツールの多くは、入力データを二次利用しないことや、通信を暗号化することを明記しています。
ツールの利用規約やプライバシーポリシーを必ず確認し、企業のセキュリティ基準を満たすものを選びましょう
料金体系と費用対効果を比較する
有料ツールを検討する場合は、料金体系と費用対効果の比較が不可欠です。月額固定制なのか、翻訳量に応じた従量課金制なのか、自社の利用頻度やボリュームに合わせて最適なプランを選びましょう。
高価なツールであっても、それによって翻訳業務にかかる時間や外注コストが大幅に削減できるのであれば、費用対効果は高いと言えます。
中国語サイトを翻訳する際の注意点

便利な翻訳ツールですが、その特性や限界を理解せずに利用すると、思わぬ誤解を招く可能性があります。ここでは、中国語サイトを翻訳する際に心に留めておくべき注意点を解説します。
簡体字と繁体字の違いを理解する
前述の通り、中国語には「簡体字」と「繁体字」の2種類の文字があります。同じ単語でも使われる漢字が異なる場合や、そもそも表現が違う場合もあります。例えば、「ソフトウェア」は簡体字で「软件」、繁体字で「軟體」と表記されます。
翻訳したいサイトがどちらの地域を対象としているかによって、ツール側の言語設定を正しく選択することが重要です。
【関連記事】【中国語翻訳】簡体字・繁体字どっちが適切?2つの違いと選び方 | CROSS LANGUAGE コラム
固有名詞や専門用語は原文と照らし合わせる
機械翻訳は、人名、会社名、製品名などの固有名詞や、特定の分野の専門用語の翻訳を苦手とすることがあります。翻訳結果が不自然だと感じた場合は、必ず原文と照らし合わせ、正しい名称を確認する癖をつけましょう。
これにより、致命的な誤解や間違いを防ぐことができます。
機械翻訳の限界を理解し最終確認を行う
AI翻訳の技術は飛躍的に向上していますが、完璧ではありません。特に、皮肉や比喩、文化的な背景を含む表現のニュアンスを完全に汲み取ることは依然として困難です。
翻訳ツールが出力した結果はあくまで「下訳」と捉え、最終的には人間が内容をチェックし、文脈に沿った自然な表現に修正するプロセスが、特に重要な文書においては不可欠です。
まとめ
本記事では、中国語サイトの翻訳に役立つ無料・有料のツールと、その選び方や注意点について解説しました。無料ツールは手軽で便利ですが、ビジネスで利用する際には精度やセキュリティの観点から有料ツールの導入が推奨されます。各ツールの特徴を理解し、自社の目的や用途に最適なものを選んで、効率的な情報収集と円滑なコミュニケーションを実現してください。
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