多言語化SEOの進め方とは?サイト設計のポイントを解説

多言語化SEOの進め方

企業のグローバル展開が加速する現代において、Webサイトの多言語化は避けて通れない重要な戦略です。

しかし、ただ日本語のサイトを各国の言語に翻訳するだけでは、現地のユーザーに情報を見つけてもらうことは困難です。そこで不可欠となるのが「多言語化SEO」です。
この施策は、国や言語ごとに最適化を行い、海外の検索エンジンで上位表示を目指すための取り組みを指します。

本記事では、多言語化SEOの基本的な概念から、具体的なサイトの設計方法、コンテンツ戦略、そして注意すべき点までを詳しく解説します。

 

多言語化SEOとは?基本と重要性を解説

多言語化SEOとは、複数の言語で展開するWebサイトにおいて、それぞれの言語やターゲットとする国に合わせて検索エンジン最適化を行うことです。

海外のユーザーが現地の言語で検索した際に、自社サイトが検索結果の上位に表示されることを目的とします。これにより、効果的に海外市場へアプローチし、ビジネスチャンスを拡大することが可能になります。

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通常の国内向けSEOとの違い

国内向けSEOが単一言語(日本語)を対象とするのに対し、多言語化SEOは複数の言語と国を考慮する点で大きく異なります。

技術的な側面では、どの言語のページがどの地域のユーザー向けなのかを検索エンジンに伝えるための「hreflangタグ」の設定が必須となります。また、サイトのURL構造をどのように設計するか、ターゲット国のユーザーが快適にアクセスできるようサーバーの場所をどこにするかなど、国内向けSEOにはない独自の要素を検討する必要があります。

なぜ今、多言語化SEOが重要なのか

インターネットの普及により、世界中の人々が国境を越えて情報にアクセスできる時代になりました。海外の潜在顧客に対して自社の製品やサービスをアピールするためには、彼らが日常的に使用する言語で情報を提供することが極めて重要です。

高品質な多言語サイトを構築し、適切なSEOを施すことで、現地のユーザーからの信頼を獲得し、競合他社との差別化を図ることができます。多言語化SEOは、グローバル市場における認知度向上と、持続的なビジネス成長を実現するための基盤となるのです。

 

多言語サイトのURL構造はどう決める?3つの方式を比較

多言語サイトを構築する際、SEOの観点から最も重要な決定事項の一つがURLの構造です。
検索エンジンがサイトの言語やターゲット地域を正しく認識し、ユーザーにとっても分かりやすい構造を選択する必要があります。代表的な3つの方式について、それぞれの特徴を解説します。

方式 メリット デメリット
ccTLD(国別コード) ターゲット国が最も明確でSEOに有利 ドメインの取得・管理コストが高い
サブドメイン 導入が容易でサーバーを分けられる URLからターゲットが分かりにくい場合がある
サブディレクトリ 最も手軽でドメイン評価を共有できる サーバーを分けられず管理が一体化する

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国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)

国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)は、「.jp」や「.de」、「.fr」のように、国ごとに割り当てられたドメインを使用する方式です。
例えば、日本向けのサイトは example.jp、ドイツ向けは example.de となります。この方法は、特定の国をターゲットにしていることを検索エンジンとユーザーに最も明確に伝えられるという大きな利点があります。しかし、国ごとにドメインを取得・管理する必要があるため、コストや手間がかかる点がデメリットです。

サブドメイン

サブドメインは、de.example.com のように、メインのドメインの前に言語や国を示すコードを追加する方式です。
ccTLDに比べて導入が容易で、コストも抑えられます。また、サーバーを国ごとに分けるなど、ccTLD方式に近い柔軟なサイト管理が可能です。ただし、ユーザーがURLを見ただけでは、特定の国向けなのか、あるいは特定の言語話者全般向けなのかが分かりにくい場合があります。

サブディレクトリ

サブディレクトリは、example.com/de/ のように、メインのドメインの後に言語や国を示す階層(ディレクトリ)を作成する方式です。
既存サイトの配下にページを追加するだけなので、3つの方式の中では最も手軽に導入できます。また、Webサイト全体の評価(ドメインパワー)を各言語ページで共有できるというメリットもあります。一方で、サーバーを分けることができないため、サイトの表示速度の面では他の方式に劣る可能性があります。

 

多言語化SEOの具体的な実装手順

多言語化SEOの具体的な実装手順
多言語化SEOを成功させるためには、計画的かつ正確な技術的実装が不可欠です。ここでは、サイトを構築する上での具体的な手順を4つのステップに分けて解説します。

手順1:ターゲット国と検索キーワードを選定する

まず、どの国や地域のユーザーにアプローチしたいのかを明確に定義します。
ターゲットが決まったら、その地域で使われている言語や文化、検索行動を調査し、キーワードを選定します。日本語のキーワードを単純に翻訳するだけでは、現地のユーザーが実際に使う検索語句とは異なる場合が多いため注意が必要です。現地の競合サイトを分析したり、キーワードツールを活用したりして、検索ボリュームやニーズを正確に把握することが成功の鍵となります。

手順2:hreflangタグを正しく設定する

hreflangタグは、ページの言語とターゲット地域を検索エンジンに伝えるためのHTMLタグです。

例えば、同じ内容のページに日本語版と英語版がある場合、これらのページが互いに関連していることをGoogleに知らせます。この設定により、日本のユーザーには日本語ページ、米国のユーザーには英語ページが検索結果に表示されやすくなり、ユーザー体験の向上に繋がります。全ての言語ページに相互参照の形で正しく設定することが重要です。

手順3:言語ごとのXMLサイトマップを作成する

XMLサイトマップは、Webサイト内にどのようなページが存在するかを検索エンジンに伝えるためのファイルです。
多言語サイトの場合、言語ごとに独立したサイトマップを作成することが推奨されます。例えば、日本語ページのリストは sitemap-ja.xml、英語ページのリストは sitemap-en.xml のように作成します。これにより、検索エンジンが各言語のページを効率的に発見し、インデックスに登録することを助けます。

手順4:サーバーの設置場所を検討する

Webサイトの表示速度は、ユーザー体験とSEO評価に影響を与える重要な要素です。ターゲット国のユーザーからサーバーまでの物理的な距離が遠いと、ページの読み込みに時間がかかってしまうことがあります。

可能であれば、ターゲット国に近い地域のサーバーを利用することを検討しましょう。それが難しい場合は、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を活用するのも有効な手段です。CDNは世界中に分散したサーバーからコンテンツを配信するため、どこからのアクセスでも表示速度を改善できます。

 

多言語化SEOを成功させるコンテンツ戦略

多言語化SEOを成功させるコンテンツ戦略
技術的な設定と並行して、多言語化SEOで最も重要なのがコンテンツそのものです。ターゲットとする国のユーザーにとって価値があり、文化的に受け入れられるコンテンツを提供することが、海外市場で成功を収めるための鍵となります。

自動翻訳に頼らない高品質な翻訳

多言語サイトを作成する際、コストや時間を削減するために自動翻訳ツールに頼りたくなるかもしれません。
しかし、機械による翻訳は、文脈やニュアンスを正確に捉えきれず、不自然な表現になることが多くあります。特に専門用語やマーケティングのキャッチコピーなどは、誤訳がブランドの信頼性を損なう原因にもなりかねません。現地の言語や文化に精通したプロの翻訳者や、ネイティブスピーカーによるチェックを取り入れることで、高品質で自然な翻訳を実現することが不可欠です。

地域の文化を反映したローカライズ

コンテンツ戦略において、翻訳は出発点に過ぎません。真にユーザーの心に響くコンテンツを作成するには、「ローカライゼーション」という視点が重要になります。

ローカライゼーションとは、単に言語を置き換えるだけでなく、ターゲット地域の文化、習慣、価値観、さらには法律や規制などを考慮してコンテンツを最適化することです。例えば、画像に使用する人物の人種や服装、日付や通貨の表記、色彩の持つ意味など、細部にまで配慮することで、現地ユーザーに親近感と信頼感を与えることができます。

対象国からの被リンクを獲得する

被リンク(外部リンク)は、国内向けSEOと同様に、多言語化SEOにおいてもサイトの権威性を示す重要な指標です。
特に、ターゲット国の信頼性が高いWebサイトからの被リンクは、その国における評価を大きく高める効果があります。現地の業界団体やメディア、影響力のあるブログなどにプレスリリースを配信したり、現地の企業とパートナーシップを結んだりすることで、自然で質の高い被リンクの獲得を目指しましょう。

 

多言語化SEOでよくある失敗と注意点

多言語化SEOでよくある失敗と注意点
多言語化SEOは複雑な要素が絡み合うため、意図せず評価を下げてしまう設定をしてしまうことがあります。ここでは、特に陥りがちな失敗例とその対策について解説します。

不適切なURL構造(パラメータなど)の選択

多言語サイトのURL構造として、example.com?lang=ja のようにパラメータを使用する方式がありますが、これはGoogleが推奨していないため避けるべきです。
パラメータ方式では、言語が異なってもURLの基本部分が同じであるため、検索エンジンが各言語のページを個別のコンテンツとして認識しにくくなります。結果として、ページのインデックスが適切に行われなかったり、重複コンテンツとみなされたりするリスクがあります。前述の通り、ccTLD、サブドメイン、サブディレクトリのいずれかの方式を選択することが重要です。

言語の自動リダイレクト設定

ユーザーのIPアドレスやブラウザの言語設定に基づいて、自動的に特定の言語ページに転送(リダイレクト)する設定は、一見親切に思えるかもしれません。
しかし、この方法はいくつかの問題を引き起こす可能性があります。まず、IPアドレスの位置情報が必ずしも正確とは限らず、ユーザーが意図しない言語のページに飛ばされることがあります。また、検索エンジンのクローラーがすべての言語ページを正しく巡回できなくなる恐れもあります。ユーザーが自ら言語を選択できるように、分かりやすい言語切替メニューを設置するのが最善の方法です。

ページ内での言語の混在

一つのページ内に複数の言語を混在させることは、ユーザーと検索エンジンの両方を混乱させる原因となります。
例えば、本文は英語に翻訳されているのに、ナビゲーションメニューやフッターが日本語のままといった状態です。検索エンジンはそのページの主要な言語を判断するのが難しくなり、どの言語の検索結果に表示すべきか決められなくなります。ユーザーにとっても、言語が統一されていないサイトは使いにくく、信頼性を損ないます。ページごとに一つの言語でコンテンツを統一することが原則です。

 

多言語サイトのSEO成功事例

多言語化SEOの理論を理解した上で、実際の成功事例を見ることは、自社の戦略を具体化する上で非常に有益です。ここでは、効果的な多言語サイト戦略によって成果を上げている事例を紹介します。

商店街サイトの多言語化によるアジア圏からの流入増加

自由が丘商店街振興組合では、オフィシャルウェブサイトの多言語化により、海外からのアクセス状況に変化が見られました。

Googleアナリティクスによる分析では、台湾、香港、上海からのアクセスが顕著に増えていることが確認されています。特に女性旅行者向けのコンテンツ展開により、リピート率の向上にもつながりました。また、母国語でサイト情報を閲覧できるようになったことで、台湾の旅行会社や旅行誌が自由が丘を特集として取り上げるなど、メディア露出の機会も増加しています。

【関連記事】自由が丘商店街振興組合 – 【公式】株式会社クロスランゲージ

観光情報サイトでのアクセス解析による効果測定

一般社団法人練馬区産業振興公社が運営する観光サイト「とっておきの練馬」では、多言語化の導入とともにGoogleアナリティクスを活用した効果測定を実施しています。

サイト解析ツールのデータによると、多言語ページへのアクセス数が明らかに伸びており、特に中国の旧正月期間には顕著なアクセス増加が数字として確認されました。多言語でのサイト行動分析により、日本語以外を母国語とする訪問者の関心事や行動パターンを把握でき、今後のコンテンツ改善やプロモーション戦略の立案に活用されています。

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まとめ

多言語化SEOは、海外市場で成功を収めるための不可欠なデジタルマーケティング戦略です。

まず、ターゲット国やユーザーに合わせた適切なURL構造を選択し、hreflangタグなどの技術的な設定を正確に行うことが全ての基本となります。その上で、単なる翻訳にとどまらず、現地の文化や習慣を深く理解した「ローカライズ」を施した高品質なコンテンツを提供することが、ユーザーと検索エンジンの双方から高い評価を得る鍵です。この記事で解説したポイントを実践し、グローバルなビジネス展開を加速させてください。

多言語化SEOを成功させるには、高品質な翻訳が不可欠です。クロスランゲージでは、AI翻訳エンジンを活用したウェブサイト自動翻訳サービスをはじめ、貴社のグローバル展開を支援する多彩なソリューションをご用意しています。ご興味ある方はぜひご確認ください。

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