多言語ツールおすすめ12選!翻訳精度や料金を比較して最適な選び方を解説

多言語ツール比較

海外とのビジネスが当たり前になった現代において、言語の壁は依然として大きな課題です。円滑なコミュニケーションや情報発信を行うために、「多言語ツール」の活用を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、多言語ツールには様々な種類があり、自社の目的に合ったものを選ぶのは簡単ではありません。 本記事では、多言語ツールの基本的な知識から、失敗しない選び方、そして無料・有料のおすすめツールまでを網羅的に解説します。

多言語ツールとは?ビジネスにおける重要性

多言語ツールとは、異なる言語間のコミュニケーションを支援するソフトウェアやサービスの総称です。テキスト翻訳はもちろん、Webサイトやファイルの多言語化、リアルタイムでの音声翻訳など、その機能は多岐にわたります。ビジネスのグローバル化が進む中で、これらのツールの重要性はますます高まっています。

参考:総務省|ICT利活用の促進|多言語翻訳の普及推進

多言語ツールの主な種類と機能

多言語ツールは、その用途によって大きくいくつかの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、自社の目的に合ったツールを選びましょう。

ツールの種類 主な機能 利用シーンの例
テキスト翻訳ツール テキスト入力によるリアルタイム翻訳、文書ファイルの翻訳 海外メールの作成・読解、チャットでのコミュニケーション
Webサイト多言語化ツール 既存のWebサイトを自動で多言語に変換・表示 海外向けECサイト運営、インバウンド向け情報発信
翻訳支援(CAT)ツール 翻訳メモリ、用語ベースの活用による翻訳作業の効率化 マニュアルや規約など、定型文が多い文書の翻訳
音声翻訳ツール 音声をリアルタイムで認識し、他言語に翻訳 海外出張時の対面コミュニケーション、国際会議

なぜ今、多言語ツールが重要なのか

インターネットの普及により、世界中の人々と瞬時に繋がれるようになりました。これはビジネスにおいて大きなチャンスですが、同時に言語の壁という課題も生み出します。多言語ツールは、この課題を解決し、ビジネスチャンスを最大化するために不可欠です。

具体的には、海外市場への迅速な参入、多言語でのカスタマーサポートによる顧客満足度の向上、そして社内の外国人従業員との円滑なコミュニケーションなどを実現します。

失敗しない多言語ツールの選び方5つのポイント

数ある多言語ツールの中から最適なものを選ぶためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。ここでは、ツール選定で失敗しないための5つのポイントを解説します。

目的(何のために使うか)を明確にする

まず最初に、「誰が、何のために、どのくらいの頻度で使うのか」を具体的に定義することが重要です。「海外取引先とのメールで使いたい」「Webサイトを英語と中国語に対応させたい」「社内マニュアルを翻訳したい」など、目的によって選ぶべきツールは大きく異なります。目的を明確にすることで、必要な機能やスペックが見えてきます。

翻訳の品質と精度を確認する

ビジネスで利用する場合、翻訳の品質は企業の信頼に直結します。特に、専門用語が多く含まれる契約書やマニュアルなどの翻訳では、高い精度が求められます。多くのツールでは無料トライアルが提供されているため、実際に自社の業務で使う文章を翻訳してみて、品質を確かめることをお勧めします。

対応言語と専門分野をチェックする

自社が必要とする言語に対応しているかは、基本的な確認事項です。一般的な言語だけでなく、特定の地域で使われる言語が必要な場合は、対応言語の豊富さが重要になります。また、医療、IT、金融、法律など、専門性の高い分野の翻訳が必要な場合は、その分野に特化したAIエンジンや辞書機能を搭載したツールを選ぶと良いでしょう。

セキュリティ対策は万全か

ビジネス文書には、機密情報や個人情報が含まれることが少なくありません。無料のオンライン翻訳ツールなどでは、入力したデータが再利用されるリスクも指摘されています。情報漏洩を防ぐため、通信の暗号化、データセンターの所在地、ISOなどのセキュリティ認証の取得状況などを必ず確認しましょう。

確認すべきセキュリティ項目 具体的な内容
通信の暗号化 SSL/TLSなどの技術で通信が保護されているか
データ管理 入力したデータが翻訳目的以外で二次利用されないか
認証取得 ISO27001(ISMS)などの第三者認証を取得しているか
サーバーの所在地 国内のデータセンターで管理されているか

料金体系と費用対効果を見極める

多言語ツールの料金体系は、月額固定制、文字数に応じた従量課金制など様々です。自社の利用頻度や翻訳量を予測し、最もコストパフォーマンスの高いプランを選びましょう。初期費用やオプション料金の有無も忘れずに確認してください。単に価格が安いという理由だけで選ぶのではなく、翻訳精度や機能、サポート体制などを総合的に評価し、費用対効果を判断することが大切です。

【無料】個人利用におすすめの多言語ツール

まずは手軽に試してみたい、あるいは個人的な用途で利用したいという場合には、無料のツールが便利です。ここでは、代表的な2つの無料ツールを紹介します。

DeepL翻訳:圧倒的な翻訳精度

DeepL翻訳は、ニューラルネットワークを活用し、非常に自然で高精度な翻訳を実現することで知られています。 特にヨーロッパ言語間の翻訳に強く、文章の文脈を理解した、ニュアンスの伝わる訳文が特徴です。無料版では翻訳できる文字数に制限がありますが、その品質の高さを体感するには十分です。

参考:DeepL翻訳:高精度な翻訳ツール

Google翻訳:対応言語の豊富さ

Google翻訳は、100以上の言語に対応しており、そのカバー範囲の広さが最大の魅力です。テキスト翻訳だけでなく、音声翻訳やカメラを使ったリアルタイム翻訳など、多彩な機能も搭載しています。近年はAI技術の導入により翻訳精度も向上しており、日常的なコミュニケーションで手軽に利用できるツールです。

参考:Google 翻訳

【有料】ビジネス利用におすすめの多言語翻訳ツール6選

セキュリティや翻訳精度、機能性を重視するビジネス利用では、有料ツールの導入が推奨されます。ここでは、企業向けにおすすめのツールを6つ紹介します。

ツール名 特徴 こんな企業におすすめ
WEB-Transer 国産・専門分野特化 専門的な文書の翻訳が多く、手厚いサポートを求める企業
T-4OO 2,000の専門分野データベース 特定の業界に特化した高精度な翻訳が必要な企業
Mirai Translator 高精度・高セキュリティ 機密情報を扱うことが多く、セキュリティを最優先する企業
yabumi ファイル翻訳に特化 PowerPointやPDFなど、多様な形式の資料を翻訳したい企業
MemoQ 翻訳支援(CAT)ツール 定型文の多いマニュアルなどを効率的に翻訳したい企業
Smartcat AIと人力のハイブリッド コストを抑えつつ、プロ品質の翻訳を求める企業

WEB-Transer:専門分野に強い国産AI翻訳

株式会社クロスランゲージが提供するAI翻訳サービスです。専門分野ごとにチューニングされた翻訳エンジンを利用できるのが大きな特徴で、ビジネス、法務、医療、ITなど幅広い分野に対応しています。国産ツールならではの日本語サポートの手厚さも魅力です。

関連記事:製品・サービス一覧 – 【公式】株式会社クロスランゲージ

T-4OO:2,000の専門分野に対応

2,000もの専門分野データベースを搭載し、専門用語の翻訳精度が非常に高いAI自動翻訳ツールです。WordやExcel、PowerPointなどのファイルをレイアウトを崩さずにそのまま翻訳できる機能も備わっており、資料作成の手間を大幅に削減できます。

参考:約2,000の翻訳エンジンで専門分野を正確かつスピーディーに翻訳! | T-4OO

Mirai Translator:高いセキュリティ性能

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した技術をベースにした翻訳エンジンで、TOEIC960点レベルのビジネスパーソンに匹敵する翻訳精度を誇ります。セキュリティ面にも力を入れており、多くの官公庁や大企業で導入実績があります。

参考:MiraiTranslator

yabumi:ファイル翻訳に特化

PDFやOfficeファイルなど、様々な形式のファイルをドラッグ&ドロップするだけで翻訳できるサービスです。レイアウトを維持したまま翻訳できるため、翻訳後の手直し作業が不要になります。1ページから利用できる手軽さも特徴です。

参考:Yabumi – 無料・ダウンロード

MemoQ:翻訳作業を効率化するCATツール

翻訳支援(CAT)ツールの一つで、過去の翻訳文を「翻訳メモリ」として蓄積し、再利用することで翻訳の効率と品質を向上させます。特に、マニュアルやUIテキストなど、繰り返し同じような表現が登場する文書の翻訳に適しています。

参考:memoQ | Translation and Localization Management Solutions – Translation software – memoQ

Smartcat:翻訳者との連携もスムーズ

AI翻訳と、世界中の翻訳者が登録するマーケットプレイスを組み合わせたプラットフォームです。AIによる一次翻訳の後、必要に応じてプロの翻訳者による修正(ポストエディット)を依頼することができます。品質とコスト、スピードのバランスを取りたい場合に有効な選択肢です。

参考:グローバルコンテンツのためのAIプラットフォーム | オールインワンソリューション

【Webサイト向け】おすすめの多言語化ツール4選

海外向けのマーケティングやインバウンド対策として、Webサイトの多言語化は非常に重要です。ここでは、Webサイトの多言語化に特化したツールを紹介します。

WEB-Transer@ホームページ AI:ページ数無制限、定額で高品質翻訳

日本語サイトに翻訳機能を設置するだけで、デザイン・ページ構成も変わらずにテキストを瞬時に翻訳することができます。ドメイン単位での契約なため、翻訳対象のページ数や文字数に関わらず定額でご利用いただけるため、コストパフォーマンスに優れています。

参考:WEB-Transer@ホームページ AI | 【公式】株式会社クロスランゲージ

WOVN.io:Webサイト多言語化の代表格

導入実績が豊富なWebサイト多言語化ソリューションです。元のサイトに一行のスクリプトを挿入するだけで、簡単に多言語化を実現できます。動的なコンテンツにも対応しており、ECサイトやWebアプリケーションなど、様々なサイトで利用されています。

参考:WOVN.io(ウォーブン) | Web サイトの多言語化・翻訳対応は WOVN.io

shutto翻訳:導入の手軽さと豊富な実績

こちらも導入の手軽さに定評のあるツールです。 リアルタイムでの自動翻訳に対応しており、元サイトのコンテンツを更新すると、翻訳後の言語にも自動で反映されるため、運用負荷を大幅に軽減できます。

参考:ユーザーログイン – shutto翻訳

Autolingual:最短3分でサイトを多言語化

「最短3分」というスピーディな導入を強みとするツールです。 既存の翻訳アルゴリズムをベースに、Webサイト特有の表現を学習させた独自のAIを活用しており、自然で高品質な翻訳を実現します。

参考:Autolingual(オートリンガル) | Webサイト多言語化の公開&更新をAIで自動化

多言語ツールを導入する際の注意点

多言語ツールは非常に便利ですが、導入すれば全ての課題が解決するわけではありません。効果を最大限に引き出すために、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。

機械翻訳の限界を理解する

近年のAI翻訳の精度は飛躍的に向上していますが、完璧ではありません。特に、文化的な背景や微妙なニュアンスが重要な表現、あるいはクリエイティブなキャッチコピーなどの翻訳は苦手とする場合があります。最終的には人の目でチェックし、必要に応じて修正するプロセスを組み込むことが、品質を担保する上で重要です。

文化・習慣の違いを考慮した表現の調整

ある言語では問題ない表現が、別の言語の文化圏では不適切、あるいは失礼にあたる場合があります。ツールによる直訳だけに頼るのではなく、ターゲットとする国の文化や習慣を理解し、表現を調整する「ローカライズ」の視点を持つことが、円滑なコミュニケーションには不可欠です。

導入後の運用体制を整える

ツールを導入するだけで満足せず、社内での運用ルールを定め、定着させることが重要です。誰がどのようにツールを管理するのか、翻訳結果のチェックは誰が行うのかなど、具体的な運用体制を事前に決めておきましょう。また、海外からの問い合わせに対応する体制なども併せて整備する必要があります。

まとめ

本記事では、ビジネスにおける多言語ツールの重要性から、具体的な選び方、そしておすすめのツールまでを詳しく解説しました。多言語ツールは、グローバルにビジネスを展開する上で強力な武器となります。自社の目的や課題を明確にし、最適なツールを選んで、言語の壁を乗り越えましょう。

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