「海外の上司に英語で業務報告が必要になった」「英語のレポートの書き方が分からず、なかなか筆が進まない」といった悩みを抱えていませんか。グローバル化が進む現代のビジネスシーンにおいて、英語での報告書作成は避けて通れない業務の一つです。
この記事では、英語報告書の基本的な構成から、すぐに使える便利フレーズ、シーン別の例文、作成時の注意点までを分かりやすく解説します。
この記事を読めば、誰でも自信を持って、分かりやすく質の高い英語報告書を作成できるようになります。
英語報告書の基本構成
英語の報告書は、情報を論理的に伝え、読み手に内容を正確に理解してもらうために、決まった構成に沿って書くのが一般的です。
まずは、基本となる4つの要素を理解しましょう。
Summary(概要):報告書全体の要約
Summary(サマリー)は、報告書全体の要点を簡潔にまとめた部分です。多忙な読み手は、まず概要を読んで、報告書全体に目を通すかどうかを判断します。
報告書の目的、重要な発見、結論、提言などを数行で分かりやすく記述することが重要です。この部分を読めば、報告書の全体像が掴めるように心がけましょう。
Introduction(導入):報告の背景と目的
Introduction(イントロダクション)では、報告書が作成された背景、目的、扱うテーマの範囲などを説明します。なぜこの報告書が必要なのか、何について報告するのかを明確にすることで、読み手は前提知識を整理し、本論の内容をスムーズに理解できます。
例えば、「A製品の売上不振の原因を分析し、改善策を提案すること」といったように、報告書の目的を具体的に示します。
Body(本論):具体的な内容・データ・分析
Body(ボディ)は、報告書の中心となる部分です。導入で提示した目的を達成するために行った調査、収集したデータ、分析結果などを具体的に記述します。グラフや表を用いて客観的な事実や数値を分かりやすく示すことで、報告書の信頼性が高まります。
複数のテーマを扱う場合は、セクションを分けて論理的に展開していきましょう。ことが大切です。
Conclusion(結論):全体のまとめと提言
Conclusion(コンクルージョン)では、本論で述べた内容を要約し、最終的な結論を改めて提示します。ここでは新しい情報を加えず、本論で示した事実や分析に基づいた結論を述べましょう。
さらに、その結論から導き出される提言(Recommendation)や今後の課題、次のアクションプランなどを具体的に示すことで、報告書が次のビジネス活動につながる価値あるものになります。
評価される英語報告書を作成する3つのコツ

基本構成を理解した上で、さらに質の高い報告書を作成するための3つのコツを紹介します。これらのポイントを意識することで、あなたの報告書はより説得力を増し、高く評価されるでしょう。
コツ1:読み手を意識して情報を整理する
報告書を作成する上で最も重要なのは、「誰が読むのか」を常に意識することです。例えば、報告相手が経営層であれば、詳細なデータよりも結論や費用対効果を簡潔に示すことが求められます。
一方、現場の担当者であれば、具体的な手順や詳細な分析データが必要です。読み手が求める情報を的確に提供できるよう、内容の深さや専門性のレベルを調整しましょう。
コツ2:簡潔で明確な表現を心がける
ビジネス文書では、冗長な表現や曖昧な言い回しは避け、簡潔(Concise)かつ明確(Clear)に記述することが基本です。一文は短くし、専門用語の使用は必要最小限に留めるか、注釈を加えるなどの配慮をしましょう。
誰が読んでも誤解が生じない、分かりやすい表現を心がけることが、スムーズな情報共有につながります。
コツ3:客観的なデータで信頼性を高める
主観的な意見や感想ばかりの報告書は、説得力に欠けてしまいます。自身の主張を裏付けるためには、具体的な数値、調査結果、市場データなどの客観的な事実(Fact)を用いることが不可欠です。
例えば、「売上が大幅に増加した」と書くのではなく、「A製品の売上が前年同期比で15%増加した」と具体的な数値で示すことで、報告書の信頼性は格段に向上します。
英語報告書で使える便利フレーズ集
ここでは、報告書の各パートでそのまま使える便利な英語フレーズを紹介します。
定型表現を覚えることで、よりスムーズに、かつプロフェッショナルな印象の報告書を作成できます。
| カテゴリ | 英語フレーズ | 日本語訳 |
| 書き出し | I am writing to report on… | ~についてご報告いたします。 |
| This report outlines… | この報告書は~の概要を述べたものです。 | |
| The purpose of this report is to… | この報告書の目的は~することです。 | |
| 目的・背景 | This is a report on the progress of… | これは~の進捗に関する報告書です。 |
| In response to your request,… | ご依頼に基づき、…。 | |
| As we discussed,… | 先日お話ししました通り、…。 | |
| データ・結果 | According to the survey data,… | 調査データによると、…。 |
| The results show that… | 結果は~ということを示しています。 | |
| In comparison with last year,… | 昨年と比較すると、…。 | |
| 締めくくり | In conclusion, we recommend… | 結論として、~を推奨します。 |
| Please let me know if you have any questions. | ご不明な点がございましたら、お知らせください。 | |
| We look forward to your feedback. | ご意見をお待ちしております。 |
書き出しで使えるフレーズ
報告書の冒頭で、何についての報告書なのかを明確に伝えるためのフレーズです。
- I would like to report on the sales figures for the last quarter.(前四半期の売上数値についてご報告いたします。)
- The following is a report on the customer satisfaction survey.(以下は、顧客満足度調査に関する報告書です。)
目的や背景を説明するフレーズ
報告書を作成するに至った経緯や、その目的を説明する際に役立つ表現です。
- The main objective of this report is to identify the cause of the system failure.(この報告書の主な目的は、システム障害の原因を特定することです。)
- We have prepared this report to analyze the new marketing strategy.(新しいマーケティング戦略を分析するために、この報告書を作成しました。)
データや結果を示すフレーズ
調査結果やデータなどの客観的な事実を提示する際に使えるフレーズです。
- The attached graph indicates a significant increase in website traffic.(添付のグラフは、ウェブサイトのトラフィックが大幅に増加したことを示しています。)
- Based on our analysis, the primary factor is the price competitiveness.(我々の分析に基づけば、主な要因は価格競争力です。)
締めくくりで使えるフレーズ
報告書を締めくくる際の結論や、今後のアクションを促すための表現です。
- To summarize, the project was completed successfully.(要約すると、プロジェクトは成功裏に完了しました。)
- We suggest that the next step should be to conduct a detailed feasibility study.(次のステップとして、詳細な実現可能性調査を行うことを提案します。)
【シーン別】英語報告書の例文テンプレート
ここでは、具体的なビジネスシーンで活用できる報告書のテンプレートを紹介します。自社の状況に合わせて内容をカスタマイズしてご活用ください。
日報(Daily Report)
日々の業務内容や進捗を簡潔に報告するためのテンプレートです。箇条書きを用いて分かりやすくまとめるのがポイントです。
| Subject: Daily Report – [Your Name] – [Date]
Hi [Manager’s Name],
Please find my daily report for [Date].
1. Completed Tasks: l Visited Company A and discussed the new proposal. l Finished the first draft of the presentation for the upcoming meeting. l 2. Work in Progress: l Analyzing the market research data (approx. 50% complete). l 3. Issues/Concerns: l There is a slight delay in receiving the data from the sales team. l 4. Plan for Tomorrow: l Follow up with the sales team. l Finalize the presentation draft. l Best regards, [Your Name] |
出張報告書(Business Trip Report)
出張の目的、活動内容、成果、そして経費などをまとめて報告するためのテンプレートです。
| Subject: Business Trip Report to [City/Country]
1. Purpose of Trip: To attend the ABC Conference and meet with potential clients. 2. Period: [Start Date] to [End Date] 3. Summary of Activities & Results: l Attended seminars on new industry trends. l Met with three potential clients (Company X, Y, and Z) and received positive feedback. A follow-up meeting with Company X is scheduled for next week. l The overall trip was highly productive and achieved its objectives. 4. Expenses: Please see the attached expense report. |
会議議事録(Meeting Minutes)
会議での決定事項や議論の内容を記録し、関係者間で共有するためのテンプレートです。
| Subject: Meeting Minutes – [Meeting Name] – [Date]
Attendees: [List of attendees] Absentees: [List of absentees]
1. Agenda: l Review of Q3 sales performance. l Planning for the new product launch. l 2. Key Discussion Points: l Q3 sales exceeded the target by 5%. The marketing team’s campaign was a major contributor. l The new product will be launched on December 1st. l 3. Action Items: l [Person’s Name]: Prepare the detailed launch plan by [Date]. l [Person’s Name]: Share the final budget proposal by [Date]. l 4. Next Meeting: [Date and Time] |
英語報告書の作成には翻訳ツールの活用がおすすめ

英語での報告書作成は、多くのビジネスパーソンにとって時間と労力がかかる作業です。
翻訳ツールを賢く利用すれば、作成時間を短縮できるだけでなく、語彙の統一や表現の均質化が図れ、結果として報告書の品質向上にも繋がります。
ここでは、翻訳ツールの具体的なメリットや、目的に合わせた選び方について詳しく解説します。
【関連記事】高性能な翻訳ツール6選!ビジネスで使えるAI翻訳の選び方を徹底解説 | CROSS LANGUAGE コラム
英語報告書の作成時間を大幅に短縮できる
まずは日本語で報告書を完成させ、翻訳ツールで英語に変換するという手順を踏むことで、作業時間を劇的に短縮できます。
特に、急ぎの報告書や定期的に作成が必要な書類の場合効果は絶大です。使い慣れた日本語で論理構成や内容の推敲に集中できるため、精神的な負担も軽くなります。
【関連記事】英語長文翻訳を効率化!無料ツールとサイトの比較、精度を上げるコツも解説 | CROSS LANGUAGE コラム
用途に応じて最適な翻訳ツールを選ぶこと
翻訳ツールには、無料で利用できるものから、セキュリティを重視した法人向けの高機能なものまで様々です。英語報告書の重要度や機密性に応じて、適切なツールを選択しましょう。
例えば、社内向けの簡単な報告であれば無料のオンライン翻訳でも十分かもしれません。しかし、顧客へ提出する正式な報告書や、機密情報を含む文書の場合は、情報漏洩のリスクが低く、専門用語にも強い法人向けの翻訳サービスが不可欠です。
| ツールの種類 | 品質 | おすすめの用途 |
| 無料オンライン翻訳 | 日常会話レベルでは十分だが、専門性や文脈の正確性は劣る場合がある。 | 機密情報を含まない社内メモや、個人的な情報収集。 |
| 有料AI翻訳サービス | 高精度。専門分野の辞書登録などでカスタマイズ可能な場合も多い。 | 定期的な報告書作成、顧客への提出資料、機密性の高い文書。 |
| 人手翻訳サービス | 最高品質。微妙なニュアンスや文化的背景も考慮した翻訳が可能。 | 契約書、重要なプレゼン資料、企業の公式発表など、完璧な品質が求められる文書。 |
【関連記事】機械翻訳とは?仕組みやメリット、ビジネスで使えるおすすめツールまで解説! | CROSS LANGUAGE コラム
AI翻訳と人によるチェックを組み合わせる
最も高品質な英語報告書を目指すなら、AI翻訳と人による最終チェックを組み合わせるのが最善の方法です。AI翻訳で全体の8〜9割をスピーディーに作成し、最後に英語のネイティブスピーカーや専門家が内容をレビューするのです。時間とコストを抑えつつ、機械翻訳特有の不自然な表現や、文脈の誤解といった細かなミスを防げます。
翻訳サービス会社によっては、AI翻訳とプロの翻訳者によるチェックをセットで提供している場合もあります。
英語報告書で注意すべきポイント

最後に、英語報告書を作成する上で特に注意すべき3つのポイントを解説します。これらの点を押さえることで、よりプロフェッショナルでミスのない報告書に仕上げることができます。
ポイント1:件名は分かりやすく具体的に記載する
メールで報告書を送る際、件名(Subject)は非常に重要です。受信者が一目で内容を把握できるよう、「[報告書の種類]-[内容]-[日付]」のように具体的に記載しましょう。
例えば、「Report」だけの件名ではなく、「Sales Report for Q3 2025」のように書くことで、相手はメールの重要度をすぐに判断できます。
ポイント2:事実と意見を明確に分けて書く
報告書では、客観的な「事実(Fact)」と、それに基づく書き手の「意見(Opinion)」を明確に区別することが求められます。
例えば、「Sales increased by 10%」は事実ですが、「I think this increase is due to the new advertisement」は意見です。意見を述べる際は、「In my opinion, …」や「It is considered that …」といった表現を使い、事実と混同されないようにしましょう。
ポイント3:能動態を基本として責任の所在を明らかにする
日本語では主語を省略しがちですが、英語のビジネス文書では「誰が何をしたか」を明確にするために、能動態(Active Voice)で書くのが基本です。
「The decision was made.(決定がなされた)」のような受動態(Passive Voice)ではなく、「We made the decision.(私たちが決定した)」と書くことで、行動の主体が明確になり、責任の所在がはっきりします。
まとめ
本記事では、英語報告書の基本的な構成から、評価を高めるコツ、すぐに使えるフレーズやテンプレート、そして作成時の注意点までを網羅的に解説しました。英語報告書作成の鍵は、定められた構成に沿って、読み手を意識しながら、簡潔かつ明確に記述することです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、今回紹介したポイントやフレーズを活用すれば、誰でも質の高い報告書を作成することができます。日々の業務報告から重要なプロジェクトの提案まで、さまざまなシーンで英語報告書が必要となるでしょう。
この記事を参考に、自信を持って英語での報告業務に取り組み、ビジネスチャンスを広げていきましょう。
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