翻訳APIのおすすめは?主要サービスを比較し選び方を徹底解説!

翻訳APIのおすすめイメージ

企業のグローバル展開やインバウンド需要への対応が加速する現代において、Webサイトやアプリケーションの多言語対応は重要な経営課題の一つです。
このような課題を解決する有効な手段として「翻訳API」が注目されています。翻訳APIを活用することで、開発者は自社のサービスに高度な翻訳機能を迅速に組み込むことが可能になります。

本記事では、翻訳APIの基本的な仕組みから、導入のメリット、選定時の比較ポイント、そして主要なサービスまでを網羅的に解説します。自社に最適な翻訳APIを選び、ビジネスをさらに加速させるための一助としてください。

 

翻訳APIとは?基本的な仕組みを解説

翻訳APIは、自社のWebサイトやアプリケーションといったソフトウェアに、外部の翻訳サービスが提供する「翻訳機能」を組み込むための仕組みです。APIは「Application Programming Interface」の略であり、プログラム同士が情報をやり取りするための窓口のような役割を果たします。開発者はこのAPIを通じて、高度な翻訳エンジンを自ら開発することなく利用できます。

ソフトウェア間で翻訳機能を実現する仕組み

翻訳APIの仕組みは非常にシンプルです。まず、開発者は自社のアプリケーションから翻訳したいテキストをAPIへ送信(リクエスト)します。リクエストを受け取った翻訳サービスは、自身の持つ高度な翻訳エンジンでテキストを処理し、翻訳結果をアプリケーションへ返信(レスポンス)します。この一連の通信により、ユーザーはアプリケーション上でシームレスに翻訳機能を利用できるのです。この仕組みによって、リアルタイムでのチャット翻訳や、大量のドキュメントの一括翻訳などが可能になります。

機械翻訳と翻訳APIの違い

機械翻訳は、コンピュータが自動で翻訳を行う技術そのものを指します。一般的に私たちがブラウザで利用する翻訳サイトは、この機械翻訳技術を手軽に使えるようにしたサービスです。一方、翻訳APIは、この機械翻訳の機能を「部品」として他のソフトウェアから呼び出して利用するためのものです。つまり、翻訳APIは機械翻訳という技術を、開発者がより柔軟に、自社のサービスに合わせて活用するためのインターフェースであると言えます。

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翻訳APIを導入する3つのメリット

翻訳APIを導入する3つのメリット

翻訳APIの導入は、企業に多くの利点をもたらします。コスト削減や業務効率化に留まらず、グローバルな市場での競争力を高める上でも重要な役割を果たします。ここでは、代表的な3つのメリットについて解説します。

メリット1:Webサイトやアプリで迅速に多言語対応できる

最大のメリットは、Webサイトやアプリケーションの多言語対応を迅速に実現できる点です。海外のユーザーに向けてサービスを展開する場合、各言語の翻訳を手作業で行うには膨大な時間とコストがかかります。翻訳APIを導入すれば、コンテンツを自動で翻訳し、世界中のユーザーへリアルタイムに情報を届けることが可能になります。これにより、ビジネスの海外展開を大幅に加速させることができます。

メリット2:翻訳業務の自動化とコスト削減

社内に発生する翻訳業務を自動化できる点も大きなメリットです。例えば、海外の顧客からの問い合わせメールや、社内の多国籍チーム間でのコミュニケーションなど、日常的に発生する翻訳作業をAPIで自動化することで、従業員の負担を大幅に軽減できます。これにより、従来は翻訳に費やしていた人件費や外部委託費用を削減し、より創造的な業務にリソースを集中させることが可能になります。

メリット3:ユーザー体験を向上できる

翻訳APIは、海外ユーザーの体験価値を大きく向上させます。自国語で製品情報やレビューを閲覧できれば、ユーザーは製品への理解を深め、安心して購入を決定できます。また、サポートへの問い合わせも自国語で行えるため、顧客満足度の向上に直結します。言語の壁を取り除くことで、より多くのユーザーにとって使いやすいサービスを提供できるのです。

 

翻訳API導入前に知っておきたい注意点

翻訳API導入前に知っておきたい注意点

翻訳APIは非常に強力なツールですが、導入にあたってはいくつかの注意点も存在します。メリットだけでなく、これらの点を事前に理解しておくことで、導入後のミスマッチを防ぎ、効果を最大化することができます

専門分野の翻訳精度には限界がある

近年の機械翻訳の精度は飛躍的に向上していますが、依然として完璧ではありません。特に、医療、法律、金融といった高度な専門用語や、微妙なニュアンスが求められる文章の翻訳には限界がある場合があります。APIが出力した翻訳結果が、必ずしも常に正確であるとは限らないことを理解し、重要な文書などでは人間の翻訳者によるチェック(ポストエディット)を組み合わせるなどの対策が求められます。

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セキュリティポリシーの確認が必須

APIを利用するということは、外部のサービスに自社のデータ(翻訳対象のテキスト)を送信することを意味します。そのため、翻訳APIを提供するサービスのセキュリティポリシーを事前に徹底的に確認することが極めて重要です。特に、機密情報や個人情報を含むテキストを翻訳する可能性がある場合は、送信したデータがどのように扱われ、保存されるのか、また二次利用される可能性はないかなどを厳密にチェックする必要があります。

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導入と運用にはコストが発生する

多くの翻訳APIサービスは、翻訳した文字数に応じた従量課金制を採用しています。無料で利用できる範囲が設定されているサービスもありますが、本格的なビジネス利用では有料プランの契約が必須となることがほとんどです。導入前に、自社の想定利用量に基づいたコストシミュレーションを行い、予算内で運用可能かを見極めることが重要です。

 

自社に最適な翻訳APIの選び方【4つの比較ポイント】

自社に最適な翻訳APIの選び方【4つの比較ポイント】

数ある翻訳APIの中から自社に最適なサービスを選ぶためには、明確な基準を持って比較検討することが重要です。ここでは、選定時に特に注目すべき4つのポイントについて解説します。

ポイント1:翻訳精度の高さ

最も重要な比較ポイントは、言うまでもなく翻訳精度の高さです。ただし、単に「精度が高い」という評判だけでなく、自社が扱うコンテンツの分野や文体において、自然で正確な翻訳が可能かを確認することが大切です。多くのサービスでは無料トライアルが提供されているため、実際に自社のドキュメントやWebサイトの文章を翻訳させ、その品質を比較評価することをお勧めします。

ポイント2:対応言語と専門分野

自社がターゲットとする市場の言語に対応しているかは、基本的な確認事項です。主要な言語はほとんどのサービスでカバーされていますが、対応言語数はサービスによって異なります。また、特定の業界や専門分野に特化した翻訳エンジンを提供しているサービスもあります。自社のビジネス領域と合致するかどうかを確認しましょう。

ポイント3:料金体系の妥当性

料金体系はサービスごとに大きく異なります。月額基本料金に加え、翻訳文字数に応じた従量課金が一般的です。自社の月間翻訳ボリュームを予測し、複数のサービスの料金プランでシミュレーションを行うことで、最もコストパフォーマンスの高いサービスを見極めることができます。初期費用や最低利用期間の有無も確認すべき点です。

ポイント4:セキュリティとサポート体制

前述の通り、セキュリティは非常に重要な選定基準です。データの暗号化、保存ポリシー、準拠している国際的なセキュリティ基準(ISO認証など)を確認しましょう。また、導入時や運用中に技術的な問題が発生した場合に、迅速に対応してくれるサポート体制が整っているかも重要です。特に、日本語でのサポートが受けられるかは、多くの企業にとって安心材料となるでしょう。

 

おすすめの翻訳APIを徹底比較

ここでは、現在市場で広く利用されている主要な翻訳APIサービスの特徴を比較解説します。それぞれの強みと弱みを理解し、自社のニーズに最も合致するサービスを見つけましょう。

サービス名 主な特徴
WEB-Transer@SDK (AI) REST・SOAP形式のAPIでJava、PHP、Python等の多言語に対応。
企業固有の専門用語対応「カスタム学習」機能と高いセキュリティが特徴。
オンプレミス環境にも導入可能。
DeepL API ニューラルネットワークを活用し、非常に自然で流暢な翻訳品質が強み。
文脈を理解した翻訳が得意。
Google Cloud Translation API 100以上の言語に対応しており、対応言語数が圧倒的に豊富。
汎用性が高く、多くのサービスで採用実績がある。
Microsoft Translator Text API ビジネス用途での信頼性が高く、Office製品との連携もスムーズ。
カスタマイズ機能も充実している。
Amazon Translate AWS(Amazon Web Services)との親和性が非常に高く、AWS上でシステムを構築している場合に導入しやすい。

 

WEB-Transer@SDK (AI):あらゆるシステムを多言語化する翻訳API

自社システムやWEBサイトに高品質な翻訳機能を組み込める開発者向けのAI翻訳APIソリューションです。

特徴として、企業固有の専門用語や文章表現に対応する「カスタム学習」機能により、個社特化型の高精度AI翻訳モデルを構築でき、専門性が高い分野にも高品質な翻訳で対応可能です。セキュリティ面では、SaaS版の暗号化通信に加え、オンプレミス版では社内イントラネット上での翻訳処理により機密情報の漏洩を防止します。

独自開発のAI翻訳エンジンを使用し、日本語⇔外国語の双方向翻訳について外国企業提供の翻訳APIに比べて適した訳出や痒い所に手が届くようなカスタマイズが可能なことから企業サイト、ECサイト、データベース、モバイルアプリなど幅広い用途で活用されています。

【関連記事】WEB-Transer@SDK (AI) – 【公式】株式会社クロスランゲージ

DeepL API:自然で流暢な翻訳が強み

DeepL APIは、特に翻訳の自然さと流暢さで高い評価を得ています。まるで人間が翻訳したかのような、文脈を的確に捉えた訳文を生成する能力に長けています。ユーザー向けのコンテンツやクリエイティブな文章の翻訳において、その真価を発揮するでしょう。無料プランでも月50万文字まで利用できるため、小規模なプロジェクトやテスト導入に適しています。

参考:DeepL API Proで翻訳・文章作成

Google Cloud Translation API:対応言語の豊富さが魅力

Google Cloud Translation APIの最大の強みは、その圧倒的な対応言語数です。多くの言語をカバーする必要があるグローバルなサービス展開を目指す企業にとって、最適な選択肢となり得ます。長年の実績と膨大なデータに裏打ちされた安定した翻訳品質と、詳細なドキュメントが提供されている点も開発者にとっては魅力的です。

参考:Cloud Translation | Google Cloud

Microsoft Translator Text API:ビジネス利用での実績多数

Microsoftが提供するTranslator Text APIは、特にビジネスシーンでの利用に強みを持っています。Azure Cognitive Servicesの一部として提供されており、セキュリティと信頼性が高く評価されています。また、業界用語などを登録して翻訳精度を高めるカスタマイズ機能も充実しており、専門的な内容を扱う企業に適しています。

参考:Azure AI Translator API を使用する – Azure AI services | Microsoft Learn

Amazon Translate:AWS環境との高い親和性

すでにAWSをインフラとして利用している企業にとって、Amazon Translateは非常に有力な選択肢です。他のAWSサービスとの連携が容易であり、シームレスなシステム構築が可能です。リアルタイム翻訳やバッチ処理など、多様なユースケースに柔軟に対応できる点が特徴です。

参考:機械翻訳サービス – Amazon Translate – Amazon Web Services

 

無料で使える翻訳APIはある?商用利用の注意点

多くの翻訳APIサービスでは、開発者が機能を試したり、小規模なアプリケーションに組み込んだりできるよう、無料の利用枠を提供しています。しかし、ビジネスで本格的に利用する(商用利用)際には、いくつかの重要な注意点があります。

無料プランの多くは機能や文字数に制限がある

無料プランは、多くの場合、月間の翻訳可能文字数に上限が設けられています。例えば「月間50万文字まで」といった制限です。この上限を超えるとAPIが利用できなくなったり、自動的に有料プランに移行したりします。また、有料プランでしか利用できない機能(用語集登録など)がある場合も多いため、事前にプランごとの機能差を把握しておく必要があります。

商用利用の際は利用規約を必ず確認する

最も注意すべき点は、無料プランの利用規約です。サービスによっては、無料プランで翻訳したテキストデータを、AIの学習データとして二次利用する場合があることが明記されています。企業の機密情報や顧客の個人情報などを翻訳する場合、このような規約のサービスを利用することは重大な情報漏洩リスクにつながります。商用利用を検討する際は、必ず有料プランを契約し、データのプライバシーが保護されることを確認してください。

 

翻訳APIの活用事例

国内大手ポータルサイト運営企業では、訪日外国人向けサービス拡充のため、店舗検索や地図連携などの動的機能を含む全サイト機能の多言語化を実現。パッケージサービスでは対応困難な複雑な機能部分まで翻訳対応することで、外国人利用者の大幅増加を達成しました。また、グローバル企業の社内システムでは、機密情報を扱うため、セキュリティを重視してオンプレミス型を採用。定額料金設定により、コストを抑えながら安全な多言語化を実現しています。医療業界では、「カスタム学習」により医療専門用語に特化したAI翻訳モデルを構築し、誤訳リスクを最小限に抑えた高精度な翻訳サービスを提供しています。

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まとめ

本記事では、翻訳APIの基本的な仕組みからメリット、選び方のポイント、主要サービスの比較までを詳しく解説しました。翻訳APIは、Webサイトやアプリの多言語化を迅速かつ低コストで実現し、グローバルビジネスを加速させるための強力なツールです。自社に最適な翻訳APIを選定するためには、翻訳精度、対応言語、料金、セキュリティといった観点から総合的に比較検討することが不可欠です。この記事で紹介した情報を参考に、ぜひ最適な翻訳APIの導入を検討してみてください。

自社システムに翻訳APIの導入をお考えなら、WEB-Transer@SDK (AI)をご検討ください。

また、ウェブサイトの多言語対応に対して翻訳APIの利用を考えられている場合は、翻訳APIでの自社開発を必要としないウェブサイト向け多言語化サービス『WEB-Transer@ホームページ AI』もご検討ください。翻訳用タグや翻訳用URLを日本語サイトに設定するだけの簡単な作業で、多言語化機能をすぐに実装することが可能です。1か月間の無料トライアルもご利用いただけますので、お気軽にお試しください。

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