契約書翻訳で失敗しない!料金相場や会社選びのポイントを解説

契約書翻訳

海外企業との取引が不可欠となった現代ビジネスにおいて、契約書の翻訳は避けて通れない業務です。しかし、言語の壁だけでなく、法律や文化の違いから生じるリスクも存在します。安易に翻訳ツールを使ったり、専門外の業者に依頼したりすると、後々大きなトラブルに発展しかねません。

この記事では、契約書翻訳で失敗しないために、料金相場から信頼できる翻訳会社の選び方、依頼時の注意点までを網羅的に解説します。適切なパートナーを見つけ、安心してグローバルビジネスを進めるための一助となれば幸いです。

契約書翻訳とは?AI翻訳とプロの違い

契約書翻訳は、単に言語を置き換える作業ではありません。国の法律や文化、商習慣を深く理解し、契約内容の意図を正確に反映させることが求められる専門的な業務です。
近年、AI翻訳の精度は向上していますが、契約書のような専門文書ではまだ限界があります。

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翻訳ミスが引き起こす重大なビジネスリスク

契約書の翻訳ミスは、単なる誤訳では済みません。例えば、契約金額の桁を間違えたり、権利と義務の範囲を誤って解釈したりすると、数百万、数千万円規模の直接的な金銭的損失につながる可能性があります。

また、契約違反による訴訟リスクや、企業の信用失墜といった、ビジネスの根幹を揺るがす事態に発展することもあります。このようなリスクを回避するためには、専門家による正確な翻訳が不可欠です

AI翻訳ツールの限界と専門翻訳の重要性

無料で利用できるAI翻訳ツールは手軽で便利ですが、契約書翻訳には向いていません。AIは文脈や法律特有の言い回しを完全に理解することが難しく、誤訳を生む可能性が高いからです。
特に、契約書で頻出する多義的な表現や、各国の法制度に基づいた専門用語の翻訳には対応できません。

一方、プロの翻訳者は言語能力はもちろん、法律分野の専門知識と豊富な実務経験を持っています。契約の背景を理解し、細かなニュアンスまで汲み取って、法的に有効かつ正確な訳文を作成します。

 

契約書翻訳の料金相場と内訳

契約書翻訳の料金は、依頼する翻訳会社や契約書の内容によって大きく変動します。料金体系を正しく理解し、何によって価格が決まるのかを知ることで、自社の予算に合った適切な会社を選ぶことができます。

料金体系の種類(文字単価・ワード単価)

翻訳料金の主な計算方法は、「文字単価」と「ワード単価」の2種類です。外国語から日本語への翻訳(和訳)の場合は、原文の1単語あたりの単価で計算されます。

一方、日本語から外国語への翻訳(英訳など)の場合は、原文の日本語1文字あたりの単価で計算されるのが一般的です。

契約書のような専門文書の場合、一般的なビジネス文書よりも単価が高く設定される傾向にあります。

翻訳料金を左右する4つの要素

翻訳料金は、主に以下の4つの要素によって決まります。これらの要素が複雑に絡み合うことで、最終的な見積もり金額が算出されます。

要素 内容
専門性 法律、金融、医療など、内容の専門性が高いほど料金は高くなる。
契約書は専門性が高い分野に分類される。
言語の組み合わせ 英語などの対応可能な翻訳者が多い言語は比較的安価で、希少言語になるほど高くなる傾向がある。
納期 通常の納期よりも短い期間での納品を希望する場合、「特急料金」として割増料金が発生することがある。
品質・工程 翻訳のみ、翻訳+校正、翻訳+校正+ネイティブチェックなど、工程が増えるほど品質は高まるが、料金も上がる。

費用を安く抑えるためのコツ

品質を担保しつつ費用を抑えるためには、いくつかの工夫ができます。まず、時間に余裕を持って依頼し、特急料金が発生しないようにしましょう。

また、過去に翻訳した類似の契約書や、社内で使用している用語集(グロッサリー)を提供することで、翻訳作業の効率が上がり、結果的に費用を抑えられる場合があります。複数の翻訳会社から見積もりを取り、料金とサービス内容を比較検討することも忘れてはいけません。

 

失敗しない翻訳会社の選び方5つのポイント

失敗しない翻訳会社の選び方5つのポイント

数ある翻訳会社の中から、自社に最適なパートナーを見つけるためには、料金だけでなく、品質や信頼性を見極めることが重要です。ここでは、会社選定の際に確認すべき5つのポイントを紹介します。

ポイント1:法律・契約書分野の翻訳実績を確認する

まず、翻訳会社のウェブサイトなどで、法律分野や契約書翻訳の実績が豊富にあるかを確認しましょう。具体的な取引先企業名や、どのような種類の契約書を取り扱ってきたかの事例が掲載されていれば、信頼性を判断する一つの材料になります。
特に、自社の業界や、翻訳を依頼したい契約書の種類と類似の実績があるかどうかが重要です。

ポイント2:専門知識を持つ翻訳者の在籍を確認する

契約書翻訳は、語学力だけでは対応できません。弁護士や弁理士、企業の法務部出身者など、法律に関する専門知識と実務経験を持つ翻訳者が在籍しているかどうかを確認することが不可欠です。
専門家が翻訳することで、法律用語の正確な理解に基づいた、質の高い翻訳が期待できます。

ポイント3:セキュリティ体制は万全か確認する

契約書には、企業の重要な機密情報が含まれています。情報漏洩を防ぐために、翻訳会社がどのようなセキュリティ対策を講じているかを確認しましょう。具体的には、秘密保持契約(NDA)の締結はもちろんのこと、ISO27001(ISMS)などの情報セキュリティに関する国際認証を取得しているかどうかも、信頼性を測る重要な指標となります。

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ポイント4:ネイティブによるチェック体制の有無

翻訳された契約書が、提出先の国で自然で分かりやすい表現になっているかは、ビジネスを円滑に進める上で非常に重要です。そのため、翻訳言語を母国語とするネイティブスピーカーによるチェック(ネイティブチェック)の体制があるかを確認しましょう。

翻訳、校正、ネイティブチェックという多重のチェック体制を設けている会社は、品質が高いと言えます。

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ポイント5:専門コーディネーターの対応の有無

問い合わせから納品まで、スムーズに進行管理をしてくれる専門のコーディネーターがいるかも大切なポイントです。翻訳内容に関する細かい要望や疑問点について、専門知識を持ったコーディネーターが間に入ってくれることで、翻訳者との円滑なコミュニケーションが可能になり、最終的な翻訳の品質向上につながります。

 

契約書翻訳を依頼する際の注意点

契約書翻訳を依頼する際の注意点

翻訳会社に依頼すれば安心、というわけではありません。発注側がいくつかの点に注意し、翻訳に必要な情報を正確に提供することで、より翻訳の精度を高めることができます。

契約の背景にある情報を共有する

なぜこの契約を結ぶのか、どのような取引なのかといった背景情報を可能な範囲で共有することで、翻訳者は契約全体の文脈を理解しやすくなります。それにより、条文の意図をより正確に汲み取った翻訳が可能になります。
特に注意すべき点や、懸念事項などを事前に伝えておくと、より的確な訳文が期待できます。

固有名詞や専門用語のリストを提供する

社名、製品名、サービス名といった固有名詞や、社内や業界で独自に使われている専門用語などがある場合は、そのリスト(用語集)を提供しましょう。これにより、訳文の統一性が保たれ、翻訳の品質とスピードが向上します。
表記の揺れを防ぐだけでなく、翻訳者が用語を調査する手間を省くことにも繋がります。

翻訳の用途と提出先を明確に伝える

翻訳された契約書が、誰によって、どのような目的で使用されるのかを明確に伝えることも重要です。例えば、社内での確認用なのか、取引先との交渉用なのか、あるいは公的機関への提出用なのかによって、求められる翻訳のトーンや形式が異なる場合があります。用途を明確にすることで、翻訳者はそれに最適な表現を選ぶことができます。

 

契約書翻訳の依頼から納品までの流れ

契約書翻訳の依頼から納品までの流れ

初めて契約書翻訳を依頼する場合、どのような流れで進むのか不安に思うかもしれません。ここでは、一般的な依頼から納品までのステップを解説します。

ステップ1:問い合わせと見積もり依頼

まずは、翻訳会社のウェブサイトのフォームやメールで問い合わせをします。その際、翻訳したい契約書のファイル(原文)を添付し、希望する言語と納期を伝えると、スムーズに見積もりを取得できます。
この段階で、セキュリティ対策や実績など、気になる点があれば質問しておきましょう。

ステップ2:翻訳作業とレビュー

正式に発注すると、専門のコーディネーターが最適な翻訳者を選定し、翻訳作業が開始されます。通常、一人の翻訳者が翻訳した後、別のチェッカーが内容を校正・レビューするプロセスを踏みます。
この間に、翻訳者から内容に関する質問が来ることもあります。

ステップ3:納品とアフターフォロー

定められた納期までに、翻訳されたファイルが納品されます。納品後、内容を確認し、疑問点や修正の希望があれば、翻訳会社に連絡します。
多くの会社では、一定期間内であれば無償で修正に応じてくれるアフターフォロー体制を整えています。納品された翻訳文に不明な点があれば、遠慮なく問い合わせましょう。

 

まとめ

契約書翻訳は、グローバルに事業を展開する上で極めて重要な業務です。翻訳の品質がビジネスの成否を左右することもあるため、料金の安さだけで翻訳会社を選ぶのは避けるべきです。
本記事で紹介した選び方のポイントや注意点を参考に、自社のビジネスを成功に導く信頼できるパートナーを見つけてください。

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